荒唐無稽の意味と由来や笑ってばかりもいられない話について

ハナで笑いながら使われたりする言葉ですね。

荒唐無稽(こうとうむけい)


なんとなく知っている人もいると
思いますが、いきなりと聞くと
やはりナゾな言葉に思えるでしょう。


「コートームケイ」
なんのことやら、ですね。

今回はこの意味と由来についてです。





意味はこんなの


荒唐無稽(こうとうむけい)とは
現実味や根拠がなく
でたらめでバカげている、という意味です。



「百億兆円かせいで火星をまるごと買い、
そこに別荘をたてる!!」

もし、大人が人生計画として
とつぜんこんなことを言ったのなら
やはり荒唐無稽ということになりますね。


「どうやってそんなにかせぐの?」
「火星ってどこから買うの?」
「そもそも『百億兆円』ってなんだよ」

いろいろと問題があります。


こどもが夢として言ったのなら
それにいちいち突っ込んだ質問をするのは
ヤボというものですが、

マジメな大人の話なら
このような荒唐無稽なことではなく
もうすこし現実味のあることを目指すほうがいいでしょう。



ここまで極端ではなくても
とくに根拠もなく

「来年は日本一の成績とるよ!」
など、いいかげんなことを言うのも
荒唐無稽といえます。


由来について


この荒唐無稽(こうとうむけい)の由来は
「荒唐」と「無稽」で
それぞれべつのところから来ています。


それがくっついてひとつの四字熟語になったようです。
なかなか奥深いですね。


ちょっと授業みたいな話になるので
「こむつかしい話はいらねえ」
と思われるなら、
軽く読み飛ばしていただければと思います。


まず、荒唐については
『荘子(そうし)』という
おおむかしの中国の書物に
「荒唐之言」というのがあります。


もともと「広大な」という、
よい意味でつかわれていたのですが、
それがいつしか
「根拠がなくいいかげん」
ということになりました。


このあたりの細かい
いきさつは分かりませんが

「壮大で立派な話をする」から
「いいかげんな大言をのべる」
みたいな感じになったのかもしれません。


「無稽(むけい)」については
『書経(しょきょう)』という、これまた大昔の
中国の書物からきています。


ここに「無稽の言」というのがあり
こちらは「根拠のない話」という意味で
はじめから今とおなじ使い方をされていたようです。



漢字の意味をごく簡単にまとめると

荒・・・あらい
唐・・・大きい
無・・・ない
稽・・・考える

といった具合なので
「大きいがあらく、考えがない」
となり、つまりでたらめ、
荒唐無稽ということですね。


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その他の使い方


この荒唐無稽という言葉は
いろいろな場面で使われます。
いくつか例文をあげてみます。



1.いいかげんことを言っているなあという時


代表的な使い方ですね。
さっきの「百億兆円」もそうです。


「学校のテストが大変だから
内閣総理大臣に言って
かんたんにしてもらう」

「そんな荒唐無稽なこと
言ってないで、はやく勉強したら?」

こういったものですね。



2.意外なことが起こりそう


これはぎゃくに
思いもよらないことが現実になってきたときに
否定しながらの使い方をします。


「インターネットがこれだけ発展したいま、
世界を自由に旅行しながら仕事をするのも
もはや荒唐無稽な話でもなくなった」


むかしは飛行機で空とんで外国に行くこと自体、
「荒唐無稽な話」だったと思うのですが
いまは当たり前になっています。
こういうのは楽しい使い方ですね。



3.根拠のない評価を受けたとき


「あなたは職場ではきびしい上司ですが、
家に帰ると猫やウサギと遊んで
ごろにゃん、とか言っているんですってね!」

「そそそそんなのは、
荒唐無稽なつくり話だ!!」


仕事などではとくにそうですが、
いいかげんな評判やウワサをされることは
どうしてもあります。

そんなときに使うこともできます。
実際やっているかどうかは別にして。


気をつけることは?


荒唐無稽(こうとうむけい)は
意味もとくにむつかしくないし、
ことばとしては問題なく覚えられると思います。


ただ、使うべき場面には
あるていど気をつけたほうがよいです。

あんまりむやみに使っていると

「頭のかたいおじいちゃん」
みたいになってしまいます。


さきほどの火星うんぬんも
まだまだ夢物語かもしれませんが、
いつか本当に実現するかもしれないので、
そうなると、どこかのタイミングで
「荒唐無稽」ではなくなります。

スマートフォンやインターネット、
さらには車やテレビも
100年も前だと考えられなかったでしょうから、
なにが荒唐無稽なのかは、案外わからないと思います。


また、根拠のないウワサも
みんなそれを信じてしまって
人間関係でこまる、なんてこともあります。

こうなると、いいかげんな噂話だと笑ってばかりもいられません。


もちろん、あんまりばかげた話なら
くよくよと神経質になってもしょうがないので
場合によっては気にしないほうがいいでしょう。

しかし、その判断は
常識とか思いこみにとらわれずに
ちゃんと自分の頭で考えておきたいものですね。

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