四面楚歌とはどんな意味で由来の歌は何か

今回は、とってもきびしい状況を
あらわす慣用句です。

個人差はあれど、こういうのが好きという人は
まずいないでしょう。

四面楚歌


知らない人が漢字から意味を想像するのは
完全に不可能で、試験勉強の学生泣かせ、

そして実際にこういう状況におちいると
もっと泣きたくなるという、

あまり人気のない(?)慣用句ですが、
その由来は一度聞いたら印象に残る話です。


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このような慣用句です


四面楚歌とは、まわりすべてが敵ばかりで、
味方するものが一切いない、という意味です。



まあ、たいへんな話ですね。
もともとは戦いの状況の言葉ですが、
現代でも学校や職場などで
孤立したことをあらわす使い方をします。


ただ、絶体絶命とか孤立無援のような、
字を見ただけで、いかにも厳しそうな慣用句と違い、
四面楚歌は、そこまで激しい漢字を
使っているわけではないですね。

「歌」なんて漢字もあって
なんかのんびりしたような?

これが、なぜ敵だらけの意味になるのかは
次のような由来からです。


古代中国の話です


四面楚歌のように
一見して意味が分からない慣用句は
中国の故事が由来のことが多いのですが、
これもそうで、紀元前200年ごろの話です。


このころ、中国では
「楚」という国と「漢」という国が
争っていました。


「項羽と劉邦の戦い」として有名な
楚漢戦争ですね。


項羽は楚の王、劉邦は漢の王で、
この両者が戦っていたのです。

そしてこの戦いは、最初は楚の項羽が優勢でしたが
次第に漢の劉邦が逆転していきます。

最後には垓下(がいか)という場所の砦に
立てこもった項羽の楚軍を
劉邦の漢軍が完全に包囲します。


ただ、この時点では、敵に囲まれながらも
項羽の楚軍はまだ戦う気力が残っていました。

しかし、包囲している敵軍から
自分たち楚の国の歌が聞こえてきます。


それを聞いた項羽や楚の兵士たちは
「敵軍から私たちの国である楚の歌が聞こえる、
これは味方の兵がことごとく敵方に降伏してしまったからだ」


と思い、戦意を喪失、
そのまま劉邦率いる漢軍に垓下(がいか)の戦いで敗れた、
これが四面楚歌の由来です。


つまり、四面(周り全部)楚歌(楚の歌)
ということですね。

これが転じて
四面楚歌=まわりが全部、敵だらけ
という意味になりました。


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なぜ敗軍の楚の歌なのか


この四面楚歌という慣用句、
意味は分かったけど、疑問になりやすいのが

漢軍・・・勝って囲んでいる側
楚軍・・・敗けて囲まれている側


この状況だと普通、
回りから聞こえてくるのは漢の歌になるはずです。
なのに四面漢歌でなく、四面楚歌。



これだと、囲まれてピンチの楚軍は
「周りから自国の歌が聞こえる、味方も多いぞ!」
とかえって元気になりそうです。

しかし、これは漢の劉邦の策略で、
漢の歌を歌って威圧するのではなく
あえて楚の歌を歌わせることによって

・漢軍には降伏した楚の兵士がたくさんいると思わせる
・砦に立てこもる楚の兵士に故郷の歌を聞かせる


などの理由で、戦意を喪失させたのです。

そして、楚の王である項羽もまた、
自らの最期を覚悟することになります。


なので、敵に囲まれているといっても
たとえばスポーツでのアウェーで
観客全員敵チームの応援ばかり
というのとは少し違いがあります。


実際の使い方は簡単


しかし歌っているのがどっちであれ、
ようは「四面楚歌とは周り全部敵だらけ」
という意味ですから、使い方としては簡単です。


次の会議では、自分に反対する人ばかりで
四面楚歌になりそうだ。


学校で人間関係がうまくいかず四面楚歌でつらい。

といった使い方ですね。


前者のように会議などで意見が合わなくて
まわりに反対されるのなら
話し合うなりして解決していけますが、

後者のように人間関係そのものがうまくいかない
という場合は、だれかに相談したほうがよさそうですね。


四面楚歌の使い方は簡単でも
その状況はたいへんなものです。
味方がいないというのは本当に消耗しますから。

項羽のように玉砕して壮絶な最期を遂げる、
というわけにもいきませんから
無理に頑張ったりせずに、何かしらの対策が必要でしょう。



同じ意味の慣用句はたくさんありそうですが、
ちょっと違いがあるものが多いです。

敵に囲まれている状況だけなら
孤軍奮闘(こぐんふんとう)
もそうですが、こちらは勇敢に戦っているので
囲まれて絶望している四面楚歌とは少し違います。

また、絶望的な状況という意味なら
絶体絶命(ぜったいぜつめい)もありますが、
こちらは特に敵に囲まれている、
という状況に限りません。

四面楚歌と似た意味の言葉としては
孤立無援(こりつむえん)
があげられるでしょう。

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