天衣無縫(てんいむほう)とはホメる意味で使える良い言葉
あんまり使っている人はいない、
というかまったく見たことがないのですが
本などでまれに出てくるのが
天衣無縫
日常でつかわれる言葉ではないですが
音楽や物語でタイトルなどに
使われることがあります。
ですが急に出てくると
なんのことやら分かりませんし
読み方すら分かりません。
この天衣無縫とは
どういう意味なのでしょうか。
どういった言葉なの?
天衣無縫(てんいむほう)とは
性格や行動がとても自然で
飾ったり、とりつくろったりしていない
という意味です。
天衣とは、天界の人々の衣服、
無縫は縫い目がないこと。
天女とか、天使といえば
真っ白で綺麗な衣装のイメージですが
そういうもののことでしょう。
縫い目がないので
飾ったり、とりつくろったりしない、
という意味になります。
由来は霊怪録(れいかいろく)
という書にでてくる話で
郭翰(かくかん)という青年が
庭で寝ていると、天女が舞い降りてきた。
その天女が着ている服に
縫い目がまったくなかったので
たずねてみると
「天に住む人の服には針や糸はつかいません」
といった。
というものです。
ようはカッコつけないということですね。
天人の話が由来なので、天衣無縫とは、
とりつくろう必要もないほど見事だ
といった、ほめる意味で使われます。
どういった使い方がされるか
この言葉は、自分で使うよりも
誰かが使っているのを見聞きするのが
ほとんどでしょう。
天衣無縫な文章
といえば、技巧をこらしたりせず
自然に書いているという意味ですし、
あの人は天衣無縫な人柄だ
といえば、かざり気がなく、
自由にふるまっている人ということになります。
また、かざる必要もないほどに完璧だ、
という意味の使い方もされます。
あとは冒頭でものべたように
物語のタイトル、曲の名前にも使われてますね。
それと麻雀では「九蓮宝燈」
(ちゅうれんぽうとう、チューレンポートン)
という、最もむつかしいとされる役がありますが
これの別名が「天衣無縫」です。
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こういった場合に便利な言葉
ということで、この天衣無縫とは
自分で使いことはあまりないですし
使っても相手が意味を知らなくて通じない
ということもありそうです。
ただ、天真爛漫(てんしんらんまん)
のかわりに使うとよい場合があります。
この言葉も同じような意味で
「あの人は天真爛漫な性格だ」
なんて使い方をされます。
こちらはたまに聞くことがありますね。
ただ、天真爛漫といった場合、
自然で自由という意味もありますが
同時に「無邪気である」といった
子供っぽさが強調される傾向があります。
なので年上の人に使うのは
ちょっとむつかしいですし、
相手によってはバカにされたと
思うかもしれません。
また最近は「天然ボケ」「天然」といった
言い方もされますが
こちらはさらに悪口として
受け取られる可能性が高いです。
でも天真爛漫や天然ボケが
愛すべき性格だったりする場合、
「あの人は天衣無縫だ」
と言えば、悪口に受け取られることは
まずないでしょう。
(天衣無縫とはどんな意味かを
説明する必要があるかもしれませんが)
なにしろ由来が天女ですからね。
「完璧」「天才」「神々しさ」
といった意味合いが強まってくれます。
あんまりメジャーな言葉とは
いえないですが
天衣無縫とはこういった意味なので
機会があれば使ってみるのもいいでしょう。
類語は、先ほど述べた天真爛漫
あと完全に同じではありませんが
飾っていないという意味では
純真無垢もあります。
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