後悔先に立たずの意味と「後悔」しないためにできること
これはとても大切なことでありながら
いざ失敗したとなると、
ひじょうに忘れやすいことでもあります。
後悔先に立たず(こうかいさきにたたず)
これが完璧にできれば
それだけで人生無敵なんじゃないかと思うくらいですが
なかなかむつかしいですね。
このことわざの意味と
後悔しないためにはどうするか、
しそうになったらどうするかについて、
あと「先に立たず」ってなんのことか、
などについても述べていきます。
このことわざの意味
後悔先に立たず(こうかいさきにたたず)とは
もう終わってしまったことを
あれこれ悔やんでも、どうにもならない
という意味です。
使い方は、それこそ後悔の数だけあるようなもので、
「もっとがんばればよかった」
「あんなこと言わなければよかった」
「ちゃんと準備しておけばよかった」
「あんなこと言わなければよかった」
「ちゃんと準備しておけばよかった」
これらに対して、すべて
「後悔先に立たず、いまさらくよくよしてもしょうがないよ」
ということができます。
なんだか書いているだけで
ちょっと悲しくなってきますね。
「もっと大事にしておけばよかった」
「もっと早くに気づいたらよかった」
「しっかりと考えていればよかった」
「後悔先に立たずです」
「もっと早くに気づいたらよかった」
「しっかりと考えていればよかった」
「後悔先に立たずです」
もちろんこれだけでは
なんの救いもないですが、
多くの場合、このことわざは
「もうおわってしまったものを
あれこれ考えてもしょうがないから
これから先のことを考えようよ」
という意味での使い方をされます。
とりかえしのつかない失敗は
「あのとき、ああしていればよかった」
みたいに、時間がとまったような状態になってしまいやすいです。
むかしのことを何度も思い出したりとか。
これだけではいつまでたっても前にすすめないですが、
「後悔先に立たずだ」と言えば
多少なりとも気持ちを切りかえられますし
気分も楽になりやすいです。
あと、このことわざには
あとから悔やんでもどうしようもないから
あらかじめしっかり考えて注意するべき
という意味の教えもふくまれています。
「もうちょっとがんばろうかな、もういいかな」
「あとで失敗しても後悔先に立たずだから、
なっとくいくまで頑張ったほうがいいよ」
「あとで失敗しても後悔先に立たずだから、
なっとくいくまで頑張ったほうがいいよ」
このように
「今のままでは、あとになって後悔しないか?」
というのを確かめるのですね。
こういうのは大切でしょう。
あとになってしまってからでは
それこそ後悔先に立たずですからね。
そんな簡単にわりきれないなら
そうはいっても
そんな簡単にほいほいと割り切れるものでもないでしょう。
だからこそこのことわざがあるようなものです。
「ずがーん」と落ち込んでどうしようもないとき、
なるべく切り替えやすくするには
次のものが有効かもしれません。
反省材料とする
これは失敗したときの
もっともスタンダードで、なおかつ前向きな方法ですね。
「この失敗を次に活かせばいい」
と考えます。
たいへんな失敗だからこそ
もうやるまい、次はちゃんとやる、
という気持ちが強くなるので、とても有効な方法です。
また
「今後に活かせばこの失敗は無駄ではない」
と思うだけで、気分も楽になるというものです。
笑いに変える
ちょっと強引ですが
これも意外なほど効果があります。
「いやー、やっちまったよ」
みたいなノリで話すのですね。
ひとの自慢話というのは
あまり聞きたくないものですが、
ぎゃくに失敗談はけっこうみんな聞いてくれます。
もちろん時と場合、また話す相手は選ぶ必要はありますが、
本当にとりかえしのつかない失敗は案外ないものなので
笑い話にしてしまえばすっきりすることもあります。
人生そういうものだ、と思う
これは最後の手段かもしれませんが、
取返しもつかない
どうにも忘れられそうもない
こんな後悔の場合、
それを自分の人生として受け入れる、という考えもあります。
無理に忘れたりしようとせず、
「これも人生」というように
自分の一部にしてしまうというもの。
上手くいけば、それまでより
少し大人の雰囲気をかもしだせる人になるでしょう。
本当に後悔の念にさいなまれているときは
どれも焼け石に水かもしれませんが、
ただただくよくよしているよりは、
よいのではないかと思います。
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あらかじめ「後悔しないように」
さっきちょっと言いましたが、
後悔先に立たずとは
あらかじめ、じゅうぶん考えて
備えておいたほうがいい、という意味もあります。
やはり、はじめから
後悔する状況になんてならないのが一番ですね。
そのために出来ることは、おもに次のもの。
できることは全部やる
やり残したことがあると
うまく行かなかったとき
「あれもやっておけばよかった~」
と、後悔先に立たずということになりやすいです。
人事を尽くして天命を待つといいますが、
もうこれ以上できん!
というところまでやりつくせば、
結果はなんであれ悔いは残らないもの。
なんだか暑苦しい考え方のようですが、
この「やりつくす」は
なにもただやみくもに頑張るということでなく、
「試験勉強がんばるのも大事だけど
無理しすぎて調子がわるくならないようにする、
あと体調管理で食べ物も注意しよう」
みたいに、
「どこまでやるか、何をやるか」
を考えることもふくまれるので
意外と冷静でないといけないことでもあるでしょう。
また、勢いだけでしゃべったり
考えななしになにかをやってしまうのも
後悔先に立たずの意味を思い知らされることになりやすいので
思慮深くなるのも大事ですね。
やるべきか分からなくなったらやる
よく
「なにかをやったときの後悔よりも
やらなかった後悔のほうが大きい」
と言われますし、これはその通りだと思います。
なので
「やろうかな、やめといたほうがいいかな、
うーんうーんうーんうーん」
みたいな状態におちいってどうしようもなくなったら
「やってみる」ほうを選択するほうが
のちのち納得のいく結果になりやすいでしょう。
ただ、これは
いくら考えてもどうしたらいいか分からない
というときの最終的な判断基準であって
何もかんがえずに、ほいほい行動にうつすのとは
ちょっと違いがありますので、そこだけは注意がいりますね。
まあ
「なんでもとりあえずやってみる」
というのも、ひとつの考え方ではあると思いますが
いずれにしても、
「あとになって、どのような結果になっても納得できるか?」
と考えてみてから、ことにあたると
よいのではないかと思います。
なんで「先に立たず」なの?
最後になりますが
後悔先に立たず、という言葉についてです。
「後悔」の意味はたいていの人は知っているでしょうけど、
「先に立たず」ってなに? という話です。
こんな言い方、このことわざ以外で
あんまり(まったく?)聞いたことがないです。
ここでの「先(さき)」とは未来という意味です。
「それはまだまだ先の話だから」
「さきのことは誰にも分かりません」
というような使い方とおなじですね。
「立たず」は、ここでは
役に立たないと考えると分かりやすいでしょう。
なので、後悔先に立たずは
「後悔しても未来の役には立たない」
という意味になります。
ちょっと分かりにくい言い回しのためか
後悔役に立たず
後悔後に立たず
後悔後を絶たず
と言われることがあるようで、これらは
文法的にはとくに間違ってないでしょうから
普通の日本語として使うのならいいのかもしれませんが、
あくまでことわざとしては
「後悔先に立たず(こうかいさきにたたず)」
が正しい言い方になります。
最後の「後悔後を絶たず」は
「あとからあとから後悔することがあるよー、ひー」
みたいな意味になるので、
自虐的な言い方としては少し面白いですが、
じっさいにそのような人生をすごすのは、ちょっと大変そうですね。
あと、
「後悔するとその気持ちが今後、
おなじ失敗をしないように活かされる、
だから後悔先に立たずなんて間違いだ」
という意見もあるかもしれません。
もちろん考え方そのものはその通りだと思いますが、
言葉としては、それは「後悔」というより
「反省」「改善」ということになるので、
このことわざとはまた別の話になるでしょう。
まとめ、類語について
ということで、
後悔先に立たずは
あとになって悔いても未来の役には立たない
という意味で、
だからこそ
あらかじめ後悔しないようにしよう
また、失敗してもきりかえよう
という教えがあることになります。
いくらがんばっても思い通りにならないこともありますし
失敗をまったくしない、とう人もまずいないでしょうけれど
後悔だけはしないようにしたいものですね。
類語ですが、
後悔と槍持ちは先に立たず(こうかいとやりもちはさきにたたず)
後悔先に立たず提灯持ち後に立たず(こうかいさきにたたずちょうちんもちあとにたたず)
後悔先に立たず提灯持ち後に立たず(こうかいさきにたたずちょうちんもちあとにたたず)
あとになってからではどうしようもないという意味では
取り返しがつかないというものは
覆水盆に返らず(ふくすいぼんにかえらず)
前もって備えておくという意味では
というものがあります。
転ばぬ先の杖というのは
後悔先に立たずとは意味に少し違いがありますので
状況によって使分けるといいでしょう。
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