転ばぬ先の杖の意味、この大切なことわざの使い方と類義語たち

わたしたちの生活に
とても慣れ親しんでいることわざですね。

転ばぬ先の杖(ころばぬさきのつえ)

転ばぬ先の杖


大切なことでありながら、
つい、するっと忘れてしまうことなので、
ふだんからことわざとして使われるのでしょう。


だれかを説得するときにも効果があります。
けっこう利用価値が高そうなことわざですね。




意味について


転ばぬ先の杖(ころばぬさきのつえ)とは
失敗しないように、前もって準備しておくという意味です。



前もって準備は大切


ここでの「先」は「前に」ということ、
「杖」は足腰の弱ったおじいちゃんやおばあちゃんが持っている物ですね。

なので、あらかじめ杖を持っておけばズベッと転んで怪我などをすることもないよ、
という、用意しておくことの大切さを伝えることわざです。


使い方としては
「転ばぬ先の杖というし、地震にそなえてこのタンスも補強しておこう」
というようになります。

わたしたちの生活、日常は、あたりまえに続くようで、
いつ何時、何がおこるか分かりませんからね。
一寸先は闇のようなものです。
だから、このことわざは大事なことを言っていますね。


思わぬトラブルが起きた

スマホやハードディスクの大切な写真が、
こわれてデータがぶっとんでから
「ああ…」と言っても後悔先に立たず、
なのでバックアップをするのも転ばぬ先の杖、


保険に入っておくこともそうですし、
いざという時にそなえる貯金も、そう考えられます。

なのでよっぽど先のことを考えていない人でないかぎり
私たちは、何かしら転ばぬ先の杖というのをやっているとも言えそうです。


迷っている誰かにも


このことわざは自分のために使うことも多いですが、
判断を迷っている人に言うのも効果的です。

このことわざで一発


「カサ持っていこうかな…」
「持っていきなよ、雨ふるかもしれないし」
「でも、ふらないかもしれないし…」

みたいにぐずぐず迷っている人には
「転ばぬ先の杖だよ、ぬれてカゼ引く前に用意しておいたほうがいい」
と言えば、わりあいスッと納得してくれます。


ヘタにくどくどしとことを言うよりも
このことわざを一発言ったほうが効果があることも多いです。

ひとの言うことを聞かないガンコ者でも、
「ことわざになっているくらいなんだから、そうしたほうがいいのだろうな」
という気になるのかもしれませんね。


スポンサーリンク


しかしむつかしいことでもあります


一方で、この転ばぬ先の杖というのは
言うは易く行うは難しといいますか、
なかなかむつかしいことでもあります。


「雨ふらなかったらカサは荷物なだけだし」とか
「オレは雨にも負けん男だ!」
みたいな、わけのわからんことを言ってカサをもたずに飛び出し、
あるいは単に忘れていって
結局ずぶぬれになってしまう、なんてこともあります。



いつくるか分からない地震のために
対策をするのも、大事と分かっていても
毎日のいそがしさに負けて
ずるずると後回しになってしまいやすいもの。

後回し

まあ明日地震がくるなんてめったにないですからね、
一日ぐらい伸ばしたって大丈夫、
もう一日伸ばしても大丈夫、だいじょうぶ…、と言っているうちに……。おそろしいですね。


不意のトラブルというものは
落とし穴のようにそこかしこにあるのに、
私たちはそれらの存在を気にせず、ずんずんと歩いているとも言えます。

だから転ばぬ先の杖ということわざは、
なにもない平和なうちから思い出してみるといいのでしょう。


類義語はこんなの


転ばぬ先の杖(ころばぬさきのつえ)と
おなじ、あるいは似た意味のことわざについてです。

類義語


備えあれば患いなし(そなえあればうれいなし)


もっとも意味がにていて、
よく使われるのはこれだと思います。
備えあれば憂いなしとも書きます。

あらかじめ備えていれば心配ないよ、ということで、
転ばぬ先の杖とほぼ同じ意味ですね。
使い方も、おなじような場面で使えます。


後悔先に立たず(こうかいさきにたたず)


これも良く使われますね。
物事が終わってからあれこれ後悔してもどうしようもない、ということです。

類義語のようですが、反対語のようなことわざでもありますね。
ちょっと不思議。


けっきょくは両方とも似たようなことを言っていますが
転ばぬ先の杖は何かが起こる前に予防として、
後悔先に立たずは
「終わってから悔やんでもしょうがない」ということなので
終わってしまってから気持ちを切り替えるためにも使えそうです。


念には念を入れよ(ねんにはねんをいれよ)


慎重に、ということであれば
これも類語として考えられます。

油断するなよ、という意味での使い方なら
こちらのほうがいいかもしれません。



石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる)


おなじく慎重なことをあらわすことわざです。
ただ、こちらは単に「慎重である」ということだけの意味で
それが良いことか悪いことまでは言っておりません。


石橋を叩いて渡る」の記事でものべていますが
あいつは用心深すぎてダメだ、みたいな使われ方もされるので注意がいります。


濡れぬ先の傘(ぬれぬさきのかさ)


転ばぬ先の杖といっしょですね。
一目みて同じと分かります。

おなじすぎて、なんでこのことわざがあるのかよく分からないくらいです。
おまけにあまり知られていないでしょうから、
使ったとしても意味がつうじない可能性が高いです。

まあさっきの雨の例だと、こっちのほうがいいかもしれませんね。
降らぬ先の傘(ふらぬさきのかさ)ともいいます。


その他


そのほかの類義語としては

良いうちから養生(よいうちからようじょう)
予防は治療に勝る(よぼうはちりょうにまさる)
用心に怪我なし(ようじんにけがなし)
用心は前にあり(ようじんはまえにあり)


「用心は前にあり」は響きがいいですね、ちょっと使ってみたいです。


この類義語の数といい多様さといい、
これらを見ているだけで、いかに先のことを考えるのが大切で大変かを思い知らされている気分になります。


類義語


ちなみに反対語としては

泥棒を見て縄を綯う(どろぼうをみてなわをなう)
泥棒を捕らえて縄を綯う(どろぼうをとらえてなわをなう)

というものがあります。

泥棒が出てから縄を作る、ということで
買ったほうが早いんじゃないの、
そんなことしている間に警察呼んだほうがいいんじゃないの、
という、間抜けすぎる例えがすばらしいと思います。

スポンサーリンク

特集記事!こちらも合わせてごらんください
おすすめ!⇒楽しくことわざなどの知恵を覚えるにはこれ
大丈夫?⇒誤用しやすいことわざや慣用句
ここぞという時に⇒苦しい時やいざという時に力になることば

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ