逆鱗に触れるの意味をくわしく。気をつけないといけないこと

これは、ぱっと見て意味が分かるような、
でもよく見ると不思議な漢字の組み合わせですね。

逆鱗に触れる(げきりんにふれる)


さかさのうろこ。

わりと耳にする慣用句なので、
意味を知っている人も多いかもしれませんが、
なんでこんな漢字を使っているの?
というところまでは、
なかなか知られていないと思います。

今回はこの逆鱗に触れるの意味と由来についてです。



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意味について


逆鱗に触れる(げきりんにふれる)とは
目上の人、地位の高い人をはげしく怒らせてしまう、
という意味です。


目上の人なので、職場だと社長や上司、
学校だと先生、家だとお父さんお母さんなど、
ようするにえらい人ですね。


使い方としては、次のものがあるでしょう。

「だーかーらー、そんなんたからダメなんですよ」
彼のこのセリフが社長の逆鱗に触れた

これは社長を大激怒させたということになります。
議論が白熱するなどで、ついうっかりだとしても
こんな言い方をしてはいけませんね。


あの子のいたずらが先生の逆鱗に触れることになった

これは先生をとても怒らせたということになります。


気をつける点としては
激しく怒らせる、ということなので、

お菓子をひとつ取られて
あははこいつうー、と言っておでこをちょん、
というような場合には使えません。


激昂(げきこう)、激怒(げきど)とか
漢字を見ただけで暑くなるようなものですね。

まあ本当に直撃をうけたら
反対に冷や汗ですずしくなるかもしれません。


あとは目上の人なので友達とか同僚、
弟妹を怒らせてた場合、自分自身が怒った場合には使わないです。


とくに自分にたいして
「今回の件は私の逆鱗に触れた」
という使い方をすると

「私はえらくて、怒るとこわいよ」
と自分で言っているようなものになるので、
気をつけないといけないですね。


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逆鱗とは


そもそもこの逆鱗とは何か。

これは、竜のあごの下に一枚ある、
さかさに生えたウロコのこと
で、
竜はふだんは穏やかな性格なのに、
ここに触れられると大変に怒った、という伝説からきています。


竜は架空の生き物で、
ゲームとかでは敵で出てきたりしますが、
ここでの竜は、むかし話に出てくる、
こどもを背中に乗せて飛んでいるようなもの

想像すれば近いんじゃないかと思います。


その竜のノドにある一枚のウロコ。

そこに触った瞬間、怒りくるって暴れまわるという。
さっきまで「ぼうやーよいこだねんねしな」
とか言っていたくせに!!


個人的には、こういう、
「よく分からないところに怒るポイントがある人」
というのは、いつも怒ってばかりの人よりも
かえって恐ろしいように思います。

いつも温厚なのに、
お気に入りのお菓子を食べられた瞬間
暴れまくる上司とか。


ともかく、ここから逆鱗とは
「触れてはならないもの、触ると怒られるもの」
という意味になります。


一般には、手で物理的に触るだけでなく
「話をする、話題に触れる」
という意味での使い方もされます。
というより、だいたいはそういった使われ方をすると思います。

「あの部長はふだん温厚ですばらしい人柄だけど、
髪の毛の話題だけは禁物だそ。
いいか、ぜったいに髪の毛の話はするなよ。ぜったいだぞ」
という具合ですね。


この言葉はもともと
韓非子(かんぴし)という書物が由来で、ここに

「主君に物を言うときは、
その逆鱗に触れないようにするのが大切である」

ようするに、
「えらい人を怒らせちゃ、いけないよ!」
というような、現在のサラリーマンにも通じることが書いてあったことから来ています。


そりゃ、上司や社長に
「だからダメなんですよー」
なんて言ってしまえば、
たとえこちらが正しかったとしても、
出世はむつかしくなるかもしれません。

時代ものの小説などでしたら
部下がちょっとぐらいキツイ言い方しても

「うむ、よくぞはっきり言ってくれた。
そなたのような配下をもって嬉しいぞ」
とか言ってくれたりすることもありますが、

現実にはそんな器の大きい人は
なかなかいないでしょうから、

言うにしても、言葉には気をつけたほうが
いいでしょう。


怒られるのがこわいからといって、
何も言わないでいるのも、それはそれで問題ですが、
やむを得ず目上の人に意見するときは、
不必要に相手を怒らせないように話し方には気をつけたり、

また、どうにも怒ってばっかりで話が通じない相手なら、
話す以外の方法を考えるなどして
逆鱗に触れるようなことはしないでおきたいものですね。


関係のありそうな言葉


さいごに「逆鱗に触れる」と関連してできそうな言葉についてです。
にているようで違う意味の言葉が多いので
これも気をつける必要があります。


「虎の尾を踏む(とらのおをふむ)」

これは、とても危険なことをすることです。
これ自体に「怒らせる」という意味はないようですが、
「虎の尾を踏んで逆鱗に触れた」という使い方はできそうです。


「癪に障る(しゃくにさわる)」

これは「さわる」とありますが、
腹が立つ、いらいらさせられるということで
「はげしく怒る」とは意味に違いがあります。


また、逆鱗に触れるは
目上の人に対して使う言葉ですが、
癪に障るは、どちらかというと
自分が腹を立てたときの使い方が多いように思います。

この言葉については、こちらをご覧くださいませ。
癪に障る(しゃくにさわる)の意味とそんな時どうすればいいか


「琴線に触れる(きんせんにふれる)」

これも「触れる」とありますが、
感動したり、感銘を受けるということで
逆鱗に触れるとはまったく意味が違うので注意がいります。


こうやって考えると類語はありそうで、なかなかないですね。

まあ意味もよく知られている言葉なので
すなおに「逆鱗に触れる」を使えばいいとは思います。

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2 Responses to “逆鱗に触れるの意味をくわしく。気をつけないといけないこと”

  1. かける より:

    はじめまして。
    19歳で学生のかけるといいます。
    つい昨日このブログを初めて知り、いくつか記事を読ませていただきました。
    半年前ほどから自らの使う「言葉」についてよく考えるようになっていた僕にとって、
    「知っている言葉の意味を改めて考え、自らの糧にしていく」という、「言葉」について考えることの新たな一面を、僕はこのブログに教えられたように感じます。
    本当にありがとうございます。

    実はこのようなコメントをさせてもらったのは、リクエストがあるからなのです。
    「大義名分」という言葉について、記事をお願いできないでしょうか。
    意味自体はもちろん僕も承知しているのですが、その上でこの言葉をチョイスさせていただいたのには個人的な理由があります。
    それは、僕がここ最近常々感じている疑問、「『根拠の正当性』と『手段の正当性』のバランス」です。

    「大義名分」の今日での使われ方として、「行動を起こすにあたってその正当性を主張するための道理・根拠」が主であると思います。
    この意味だけを汲み取れば、それ自体にマイナスのイメージは少ないにもかかわらず、ドラマや映画などの物語、はたまた現実世界においても、「大義名分」という言葉が悪役に使われ、マイナスなイメージで使われている場面が少なからずあります。
    それは、先ほどの僕の疑問、「『根拠の正当性』と『手段の正当性』のバランス」が損なわれているという点が、その言葉をマイナスの意味させていると、僕は考えます。

    では、「大義名分」という言葉を、プラスなイメージとマイナスなイメージに二分する原因はどこにあるのか
    先ほどの僕の考えで言い換えるならば、「『根拠の正当性』と『手段の正当性』のバランス」はどこにあるのか
    これが、僕が「大義名分」という言葉をリクエストさせていただく理由です

    拙い文章で申し訳ありません
    よろしければご検討ください

    • みずしま より:

      とてもていねいなコメントありがとうございます。

      年末年始にかけて体調をくずしていたのと多忙が重なってしまい、
      返事が大変おくれて申し訳ありません。


      おっしゃるとおり、知っている言葉でも
      あらためて考えていくと、新しい発見がありますね。
      そういったものも、ことわざや慣用句の良さに思います。


      「大義名分」の記事はこちらに書きました。
      http://kotowaza-kanyouku.com/taigimeibun

      本来この言葉そのものには悪い意味はないと思いますが、
      自分勝手な使い方をされやすい言葉でもあり、
      そういった使い方をされるうちにマイナスのイメージができたように思います。


      「『根拠の正当性』と『手段の正当性』」というのは
      大義名分という言葉について考えるうえでも、
      それ以外の場面についても、大切なことだと感じました。


      この言葉は歴史について学ぶにも、日常の出来事についても、
      いろいろ考えされられることが多いですね。

      貴重なご意見ありがとうございます。

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