一寸先は闇の意味は意外と解釈がむつかしいので注意

これは、おそろしいような、
そうでもないような、
でもやっぱり聞くとなんだか心配になりそうな言葉です。

一寸先は闇(いっすんさきはやみ)


聞いただけで意味を想像できそうですが、
すこし間違えた解釈をしやすいので、
そこは注意がいります。


また「一寸」が何か知らないと
なんのことか分かりませんので
それについても述べていきます。




どんな言葉か


一寸先は闇(いっすんさきはやみ)とは
未来のことは、すこし先のことでも
まったく分からないものだ、という意味です。



使い方としては、たとえば
「試合で相手がケガをして勝ったけど、
つぎの日に自分もケガをした。
まったく一寸先は闇だな

というように、
予想しないことが起こることのたとえとして使えます。


また
人生、一寸先は闇だから
なにが起こっても大丈夫なように
そなえておかないと」

のように、あらかじめ注意しようという
転ばぬ先の杖のような使い方もできます。


事実は小説より奇なり(じじつはしょうせつよりきなり)
なんていいますが、
思いもよらないこと、予想もしないことは
なにかと起こるものです。



だから、このことわざも使おうと思えば
いろいろな使い方ができそうです。

「百点とって、よろこんで、
飛び上がったら転んでケガをした」

とか。
まあこれは一寸先は闇というより
たんなる不注意かもしれませんが。


「一寸」「闇」とは


「一寸」とは
むかしに使われていた長さの単位です。


もともとは親指のはばの長さだったようですが、
明治時代に約3㎝(センチメートル)、
正確には3.0303cmとなりました。


いまどき長さで「一寸」なんて使わないだろ
知らんがな、と思われるかもしれません。

たしかにほとんど使われることはないですが
この「一寸」という言葉は
「小さいもの」
「ちょっとのもの」
という意味もあり、この使い方は今でもされます。



一寸の虫にも五分の魂(いっすんのむしにもごぶのたましい)
一寸の光陰軽んずべからず(いっすんのこういんかろんずべからず)
などですね。
また、一寸と書いて「ちょっと」と読むこともあります。


つぎに、「闇(やみ)」についてですが、
これは、光がなくて暗い状態のことです。
まあ分かりますか。

ただし、むかしは電気も懐中電灯もなかったので
闇というのは、ほんとうに
なにがあるのか分からない状態だったのですね。


いまは闇とっいっても、せいぜい
「明かりのスイッチが
どこにあるか分からない!」
とかいう程度で、たいていはそこまで大変なものではないでしょう。


そのため、いまでは闇といえば
暗いという意味のほかでは
「光と闇」「心の闇」というように
悪いもの、おそろしいもの
という意味での使い方が多いです。

しかし一寸先は闇での「闇」は
むかしながらの、暗いので何があるのか分からない
という意味になるので、そこは注意がいりますね。

この点をまちがえると、
続きでのべるような、おかしなことになるかもしれません。


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注意すること


一寸先は闇(いっすんさきはやみ)は
さきのことは分からないという意味ですが、
かなずしも悪いことが起こる、というわけではありません。


まあじっさいには、
「昨日まで元気だったのに
いきなり病気なった、一寸先は闇だね」

というように、ケガとか病気とか倒産とか
ろくでもないことが起きたときの使い方が多いです。


ただ、これだけだと一寸先は闇ということわざを
「これからすぐに悪いことが起きる!」
という意味で覚えてしまうかもしれません。
これはすこし違うことになります。

これでなにがおかしくなるかと言えば、
たとえば「人生、一寸先は闇だ」
と言えば、人生これからすぐに悪くなる
おさきまっくら、みたいになってしまいます。

そんなことはないですよね。失礼な。
これは、人生なにが起こるか分からないから
気をつけるんだよ、という意味です。



そのほかの注意点としては
一寸先は闇(いっすんさきはやみ)を
一瞬先は闇(いっしゅんさきはやみ)
と間違えやすいことです。

まあ、こうやって字で書くと
「まちがえるもんか!」
という話ですが、
耳で聞いたらにてますよね。
「いっすんさきはやみ」
「いっしゅんさきはやみ」

そのため、間違えて覚えている人もいるようですが
いつか気づかれて
「この人、まちがえているよ」
ということになってしまいます。


あと、先ほどの内容と矛盾するようですが、
「闇」という言葉のイメージからか
悪いことを連想する人が多いので、
使うときに気をつけたほうがいいでしょう。



さっきのように
「人生、一寸先は闇だから気をつけろ」
というような使い方なら問題ないでしょうけど、

「一寸先は闇というからね、
君の人生だってどうなるか分からないよ!」

なんて言ってしまうと、たとえ
「先のことは分からないから希望をもってね!」
という意味で言ったとしても

相手は
「すぐに悪いことが起きる」
つまり
「どうせ君の人生はすぐ悪くなるのさ、ヒヒヒ」

みたいに受け取られる可能性がある、
というか、たいていの人には
そのように聞こえると思いますので
こんな使い方はしないほうがいいでしょう。


また、はげます使い方をするため、
未来は明るい、という意味で
「一寸先は光」
と言われることもあります。

これは表現としては悪くないので、
使うこと自体はいいとは思いますが、
こういう言葉はことわざとしては存在せず、
本来は「一寸先は闇」

というのは知っておくといいでしょう。


まとめと類語


ということで、
一寸先は闇(いっすんさきはやみ)というのは、
さきのことは分からないものだ、という意味です。

分からない、というだけで
おそらくこの言葉そのものには
良いも悪いもないのかもしれませんが、
悪いことが起きたときの使い方が多いことわざ
というのも知っておくといいでしょう。



分からないこと自体が不安で良くないこと、
という考え方も出来そうですが、
なにもこれから悪いことが起きると
決まったわけではないでしょうから、


「どうなるか分からないんだから、
上手くいくかもしれない」
と良いほうに考えるか

「本当に悪いことが起きるかもしれない」
ということでしたら、
注意して未然にふせぐなど
どちらにしても良い方向にもっていきたいものです。


類語ですが、
先のことが分からないという意味では

良いことや悪いことが起こるというものは、
というものがあります。

ただしこれらは似ているということで
類語にあげていますが、
まったく同じ意味ではないので
場合によって使い分けるといいでしょう。

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