檄を飛ばす(げきをとばす)の意味は誤用されやすいが、かっこいい

テレビのニュースなどで耳にしますが、
誤用されやすい言葉です。

檄を飛ばす(げきをとばす)
檄を飛ばす


たしかに文字から意味を推測することも出来ないですし、
よく見ると漢字もよく分かりません。
これじゃ間違うのも無理がないですね。


ただ、知らないとなんのこっちゃですが、
うまく使うと勇ましい言葉でもあります。

そのためか、そこそこ使われていますね。

いちど確認しておくといいでしょう。



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こういう意味


檄を飛ばす(げきをとばす)とは、
自分の考え、主張を人々に知らせて、決意や行動をさせるようにしむける、
という意味です。


檄を飛ばす


この言葉を使うときは
たおすべき相手がいることが多く、

「あの悪い男が大臣になってから国はめちゃくちゃだ。
ヤツをたおすのだ! みんな、立ち上がれ!」


こういった使い方をされることが多いです。
かっこいいですね。

そしてみんなでわーっと反乱を起こして、その悪い大臣をたおす。
歴史の話などでいかにも出てきそうな話です。


有名な中国の話である三国志でも
董卓(とうたく)という悪いやつを倒すため、
曹操(そうそう)という人物が、あちこちの英雄に呼びかける場面があります。

これも檄を飛ばす、という意味になります。
三国志おもしろいですね!


いまの日本では反乱を起こしたりしなくても
政治がよくないときなどは、
選挙で政権をかえることができるので
これもたおすと言え、そのために檄を飛ばすこともあります。


「いまの○○政権では国が悪くなる一方です!
つぎの選挙ではこのわたしに清き一票を! ぜひ! ぜひ! ぜひ!」

というような演説がそうですね。


まあどうしても、この言葉は、
国がどうだ、とうような大きな例文ばかりになりがちなので、
むりやり身近な例でいきますと、

「○○君はいじわるばかりしている。
だからみんなで止めるように注意しようよ」

こんなのも、意味を考えると檄を飛ばすと言えそうです。


最後の例はちょっと無理があるって?
そうですか。

立ち上がる子供


たしかに意味としては間違っていなくても
「○○君のいじわるを止めさせるために
ボクはみんなに檄を飛ばすんだ!」

なんていう子供がいたらちょっとすごいです。
将来どんなおとなになるんでしょうね。


そのためか、この言葉、
つぎのような、ちょっと違う意味での使い方をされることがあります。


こんな誤用をされているよ


この檄を飛ばすは、
誰かをはげます、という意味で使われてしまうことが多いです。


受験に失敗したつぎの日に彼女にふられ、
帰りにサイフを落として犬にほえられ転んでドブに落ちた友達に
「人生山あり谷ありさ!」
と檄を飛ばした、こういう使い方ですね。
励ます

はげますことを「激励(げきれい)」
と言うことがありますが、
おそらくここから来ているのでしょう。
どっちも「げき」とありますからね。


ただ、この檄を飛ばすには
はげます、という意味はありまません。


よく見ると、
「檄を飛ばす」と「激励」の「げき」は
違う漢字ですし、意味もまったく違います。


これについては続きで説明します。


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漢字までまちがわれるよ!


「檄(げき)」と「激(げき)」との違いについてです。

いっしょに見えるって?

ちょっと大きくしてみますね。
よいしょ。
檄 激

どうです? 大きくなりましたか?
へん(左の部分)が違いますね。
それぞれ「きへん」と「さんずい」です。



虫眼鏡をのぞく


それで、「きへん」の「檄(げき)」ですが、
辞書を引いてみたところ、

むかし、中国で人をよび出したり、悪いことをやめるように言い聞かせるために、政府などが出した木の札に書いた文書。
だいたいこのようなことが載ってました。

むちゃくちゃ限定された意味の漢字ですね。
中国で、しかも昔の話、
今の日本で使う機会があるのでしょうか。


一応、もうひとつの意味として、
自分の考え、主張を人々に知らせて、決意や行動をさせるようにしむけるための文書、というのもあります。

ただ、これも用例は「檄を飛ばす」しか載っていませんでした。
ほかの使い方は「檄文(げきぶん)」ぐらいですかね。
よくこれだけのために漢字ひとつ作ったものです。
「〇〇選手が夏場の雨の日だけつかう特注シューズ」みたいなものですね。


つまり、この「檄」という漢字、
檄を飛ばすという言葉を知らなければ、まず知らないであろう漢字と考えられます。
しかも見た目もさんずいの「激」と似ているので、それは間違えられやすいでしょう。


でも「激を飛ばす」という書き方はないので注意が必要です。

あんまり使わない漢字だからだと思いますが
「きへん」の「檄」は、常用漢字にふくまれていないので
「げきを飛ばす」「ゲキを飛ばす」など、かな(カナ)で書かれることもあります。


使ってみるとかっこいいかも


演説する


ということで、この「檄を飛ばす」は
ふだんあまり使わない漢字を使っているうえ
意味も誤用しやすいのので、
あつかいにくい言葉のように思えますが、
じっさい使う分にはそうでもないです。


だって「行動をうながす」を「はげます」と間違えて受け取られても
はげまされて怒ることはふつうありませんからね。


会社で新しいプロジェクトをやるときなど
「チームに檄を飛ばしてくる」
と言えば、かっこよくて気分がでますし、
ちょっと使ってみるのも面白いかもしれませんね。

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