能ある鷹は爪を隠すの意味は本当に大事なのか、注意すること
このことわざを使われると
なんだかすごい人! という印象になります。
能ある鷹は爪を隠す(のうあるたかはつめをかくす)
どっちかというと人に言ってもらいたい言葉かもしれませんが、
座右の銘として、自分自身で使うことも出来ます。
このことわざの意味と
どういう使い方をするか、注意点などについてです。
このことわざの意味
能ある鷹は爪を隠す(のうあるたかはつめをかくす)とは
すぐれた人物は、
ふだん実力を見せびらかしたり自慢したりしないものだ、という意味です。
たとえば、だれかの意外な実力を知ったとき、
「今回のテストはむつかしくて0点ばっかり。でもAさんだけは満点だったよ!」
「あの物静かなAさんはそんなに勉強ができたのか。能ある鷹は爪を隠すだな」
「あの物静かなAさんはそんなに勉強ができたのか。能ある鷹は爪を隠すだな」
この場合、Aさんは実力があるのですが
いつもはそういう態度をしていなかった、ということになります。
多くの場合「それなのに威張ったりしないAさんは立派だね」という意味もふくまれています。
また、むやみに力をひけらかそうとするのをいましめる使い方もできます。
「おれはすごいぜ!」
「能ある鷹は爪を隠すというから、そんな自慢しないほうがいいよ」
「能ある鷹は爪を隠すというから、そんな自慢しないほうがいいよ」
座右の銘としての使い方はこっちになりますね。
成績がよかったり仕事が優秀だったりするのに、
ふだんそれについて何も言わない人はいるもので、
そういった人はある時とつぜん実力を発揮するので、とても印象にのこりますね。
クラスで全然めだたないのに、
なにかのはずみで成績表をみたらすごかった、なんて友達がいると、
見るからに頭がよさそうにしゃべっている人よりも立派な人物に見えたものです。
そういう人をたたえたり、
また、自分がそうなりたいので、心がけとして、
能ある鷹は爪を隠すということわざを使うことができます。
なお、ここでの「隠す」は、
わざと悪い成績をとったり失敗するなど、本気で隠すというより、
見せびらかしたり自慢しないという意味で使われることがほとんどです。
また、「能ある」とは能力があるということです。
かしこいといういう意味のつもりで「脳ある鷹は爪を隠す」というのは間違いになります。
なぜわざわざ隠すの?
能ある鷹は爪を隠すということわざは
辞書で「実力ある人は見せびらかしたり自慢しない」
という意味で載ってはいるものの
なんでそうなのか理由までは書いてはいません。
そのためか
「どうしてわざわざ実力を隠すの?」
という疑問をもたれることがあります。
これは、明確に「こうだから」というのは決まっていないのでしょうけれど
理由として考えられるのは、おもに次のものがあります。
・本当に実力がある人は自信があるのでわざわざ見せびらかす必要がない
・自慢するとまわりに嫌な思いをさせるから
・実力ある人ほど「もっとすごい人がいる」ことを知っている
・自慢するひまがあれば自分の実力をみがく
・本当の実力を隠して相手を油断させる
・自慢するとまわりに嫌な思いをさせるから
・実力ある人ほど「もっとすごい人がいる」ことを知っている
・自慢するひまがあれば自分の実力をみがく
・本当の実力を隠して相手を油断させる
これら全部がおなじ人にあてはまるわけではないでしょうけれど
おおむねどれかの理由のことが多いでしょう。
さいごの「相手を油断させる」はちょっとこわいですが、
ほとんどの場合はそれ以外でしょうし、
あとの理由はみんなかっこいいですね。
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いつも隠せばいいわけではない
とはいえ、
ときには自分の実力を見せる必要もあるでしょう。
面接などでは自分ができることをちゃんと伝える必要がありますし
きびしい出世競争に身をおいている場合などに、
自分の能力を主張しなければいけないこともあるかもしれません。
勝負事で自分の実力を見せつけ相手の戦意をくじく、という作戦もあります。
こんなときにまで、
「能ある鷹は爪を隠す」と言っていては
本当にうまく隠してしまって誰にも気づいてもらえず活躍の機会がなくなるかもしれません。
口先ではなく実力で勝負というのが理想でしょうけれども
なかなかそれだけでは上手くいかないのが現実、ということもあります。
ただ、そのために
「能ある鷹は爪を隠さず」というのは
本来の言い方ではありません。
もちろん演出や冗談でそういった言い方をするものいいでしょうけれども
ことわざとしてはあくまでも「能ある鷹は爪を隠す」なので、その点は注意しておくといいでしょう。
結局どうすればいいのか
時と場合にはよりますが
やはりこの、能ある鷹は爪を隠すとうことわざは
大事なことを言っていると思います。
・仕事は優秀だか自慢ばかりしている
・ふだん静かだか、いざというときはたのもしい
・ふだん静かだか、いざというときはたのもしい
ふつうは後者の人と一緒にいたいですよね。
つまりそれだけこのことわざの意味を理解していると、
まわりの人に大事にされやすい、ということになります。
また、自分のためにも
・優秀だと思われるようにがんばる
・優秀になるようにがんばる
・優秀になるようにがんばる
前者もまったく必要がないとは言いませんが、
やはり後者のほうが長い目で見ると役に立つでしょう。
まわりが自慢ばかりする人だったりすると
つい自分も負けじと…、となってしまいやすいですし、
なかなか自分の実力が認めてもらえないとつい自己主張をしたくなるもの。
それでも「実るほど頭を垂れる稲穂かな(みのるほどこうべをたれるいなほかな)」といいますし、やはり、なるべく偉そうなことはしないほうがいいでしょう。
自慢ばかりする人たちとの付き合いはなるべくしないようにしたり、
自分の実力を自然に認めてもらえる環境にできないか、なども考えつつ、
能ある鷹は爪を隠すの意味を考えていきたいものです。
類語はたくさんあって
能鷹隠爪(のうよういんそう)
能ある猫は爪隠す(のうあるねこはつめかくす)
鼠捕る猫は爪隠す(ねずみとるねこはつめかくす)
大賢は愚なるが如し(たいけんはぐなるがごとし)
深い川は静かに流れる(ふかいかわはしずかにながれる)
能ある猫は爪隠す(のうあるねこはつめかくす)
鼠捕る猫は爪隠す(ねずみとるねこはつめかくす)
大賢は愚なるが如し(たいけんはぐなるがごとし)
深い川は静かに流れる(ふかいかわはしずかにながれる)
反対語は
空き樽は音が高い(あきだるはおとがたかい)
浅瀬に仇波(あさせにあだなみ)
能なし犬の高吠え(のうなしいぬのたかぼえ)
鳴く猫は鼠を捕らぬ(なくねこはねずみをとらぬ)
能無しの口たたき(のうなしのくちたたき)
光るほど鳴らぬ(ひかるほどならぬ)
などがあります。浅瀬に仇波(あさせにあだなみ)
能なし犬の高吠え(のうなしいぬのたかぼえ)
鳴く猫は鼠を捕らぬ(なくねこはねずみをとらぬ)
能無しの口たたき(のうなしのくちたたき)
光るほど鳴らぬ(ひかるほどならぬ)
反対語といってもこれらは
「実力のない人ほどよくしゃべる」
ということなので、見方によっては能ある鷹は爪を隠すと同じ意味とも考えられますね。
また、ことわざとしてちゃんと存在するのかどうか分かりませんが
弱い犬ほどよく吠える(よわいいぬほどよくほえる)
というのもよく言われます。
実力のない人がぎゃあぎゃあと騒ぎ立ててごまかす、ということで
まさに反対の言葉ですね。
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別に意識して能ある鷹は爪を隠すを狙うとかじゃなくて、無意識に必要な時に必要な分だけなるべく無駄なく能力を使ってるだけなのでは?
そうですね。自分の能力を見せびらかしたり、逆に隠すことにエネルギーを使うよりは、「能力を発揮する」ことそのものに集中するほうが、ふつうは良い結果を残せるでしょうから、それが理想的ですね。
それが結果的に「能ある鷹は爪を隠す」ということになるのかもしれないと感じました。
参考になるご意見ありがとうございます。
この言葉が生まれた時代は武家社会ですから、文脈を知りませんがおそらく「相手を油断させるため」の意が強かったのではないかと思います。しかし、現代社会では協調性を求められますから、意味的に発展して今があるのでしょうね。
ところで私は、「能ある鷹は爪を隠すが、能無い鷹は爪を磨がない」現代人を憂いてしまいます。
気違いに刃物ではなく、宝の持ち腐れ的な意味です。
なるほど、時代とともに意味が発展していったというのは、興味深い考え方ですね。
コメントありがとうございます。
せっかくの爪が宝の持ち腐れにならないよう、気を付けていきたいものです。