三つ子の魂百までを教育で使うのは本当の意味ではない?

だれかの性格や、行動に
感心したり、あきれたりするときに
よく言われることわざに

三つ子の魂百まで


というものがあります。

最近では子育てにも
このことわざが使われることもありますね。

とても大事なことなのですが、
あまり極端な考えをするのもよくないです。


今回は、三つ子の魂百まで
ということわざについて
本当の意味はどうなのか、
注意するべき点について考えていきます。


もともとこういうことわざ


三つ子の魂百まで
(みつごのたましいひゃくまで)とは
幼いころの性格は、年をとっても
ずっと変わらないものだ、という意味です。



「あのおじいちゃん、
いつもにぎやかで明るいね。
なんかいいことあったのかな」

「いや、子供のころから
そういう性格だったって話ですよ」

「なるほど、三つ子の魂百まで
ということですね」


といった具合に使います。


人の性格は、生きていく過程で
ある程度は変わるものですが
本質的な部分はそのままだということですね。

画家や漫画家になる人は
たいてい子供のころから絵が好きですし、

細かい作業が好きな人が
職人になっていくというのも
三つ子の魂百までの意味を
よくあらわしているでしょう。


子育てでの場合


それで、このことわざは、
冒頭でのべたように
子育ての話でもよく出てきます。

「三つ子の魂百までといいまして
幼少期の経験は、その後の人格形成に
大きな影響をあたえます」

といったものですね。


もちろん、小さいころの経験が
子供の性格に大きな影響をあたえるので
しっかり子育てしましょう、
ということにまったく異論はありません。


ただ、子育てにこのことわざを使うと
まれにですが、

「3歳までの教育で、その後の人生がすべて決まる」
みたいな、極端な解釈になることがあるので
そこには注意する必要があります。



たとえば最近の研究では
3歳までには脳の大部分が形成される
といった報告もありますが

そのことと三つ子の魂百までということわざを
むすびつけると、まるで大昔から
脳科学の研究がされていたような
印象になってしまいます。


このことわざでの「三つ子」とは
厳密に3歳というより、
小さいころ、という意味です


それに三つ子の魂百までの本当の意味は
先ほどのべたように、
人の本質的な性格はそう変わらない
という、どちらかというと
もって生まれた性質についてのことわざです。



もちろん、くりかえしますが
小さいころの子育てが大事というのは
その通りだと思いますし
脳科学を否定するつもりもありません。

しかし、それが極論になって、
小さなお子さまを持つ親御さんに
過大なプレッシャーを与えるのもよくないですし、


子ども自身が
「三つ子の魂百までというし、
わたしは3歳をすぎているから
もうどうしようもない」

と考えるのもよくありません。

そのような、おかしな意味で
このことわざを使わないように
注意する必要があります。


それよりは
自分の性格にあった仕事をえらぶ
といった使い方のほうがいいでしょう。


ひとの生き方というものは
想像以上いろいろなものがあるものですし
そういったことを考えるほうが前向きですからね。

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このような使い方も


三つ子の魂百までということわざは、
小さな子供か、お年寄りに
使われることが多いです。

しかし、本当の意味を考えると、
たとえば学生さんが進路を決める場合に

「三つ子の魂百まで、というので
子供のときに好きだったものに
近い仕事を選ぶと、うまくいきやすい」


とか、あるいは中高年の方でも
子供のころから好きだったものを
新しく始める場合などに使うこともできますね。



ことわざにかぎらず、
言葉というものは年月とともに
意味がかわることもありますし、

「三つ子の魂百まで」を
育った環境や影響、子育てに使うのも
分かりやすくて、よく使われます。

なので、
まちがっているから止めたほうがいい
というつもりはありませんが

もともと本当の意味は、
このような、その人本来の性格について
あらわしたことわざだというのは
知っておくといいでしょう。


なお、このことわざは
三つ子の魂八十まで
三つ子の知恵百まで

という言い方も辞書にのっています。

もっとも、実際に
これらの言い方をされることは
ほとんどないので、下手に使うと

「三つ子の魂百までだよ!」
と間違えたかのように
思われてしまうかもしれませんね。

また、類語には
雀百まで踊り忘れず
ということわざもあります。

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