登竜門の意味と使い方の誤用について

数ある慣用句の中でも
かなり響きがいいのが

登竜門


なんだかマンガに出てきそうな言葉ですね、
しかし現実世界で使われます。

特別な賞や試験を指すことが多いですが
それ以外の使い方もできますし
良いことを表す言葉なので
意味を覚えておくといいでしょう。


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どういった言葉か


登竜門(とうりゅうもん)は、
1.立身出世のための試験や審査を突破する、賞を獲得する
2.また、そういった試験や賞そのもののこと


こういった意味があります。
「2.」は由来から考えると誤用なのかもしれませんが
辞書にもこのように載っていますし
実際にそういった使い方もされます。


そんじょそこらの試験や賞には使いません。
獲得すればその道での地位が高い確率で保証される、
それくらい力のあるもの、という意味です。

有名なものだと文学における芥川賞が
登竜門と言われていますね。
あとは難関大学などもそうでしょうか。

使い方としては
「芥川賞を受賞するのは文壇における登竜門だ」
という具合です。


文字を見ただけで、力強い印象がありますね。
これには、次のような由来があります。


この言葉の由来


「登竜門」というと
なんだか中国っぽい響きがありますが
実際に中国のものです。


イメージとしては

赤い大きな門があって
そこを通るためにはボスを倒さないといけない、
そしてドラの「ドジャーン!」
という音を合図に戦う…、

みたいな感じになりそうですが
そうではなく、というか全然違って
登竜門は中国の大きな川、
黄河にあるものです。


黄河の上流に、龍門山を切り開いてできた、
流れの非常にはやい場所があり
ここを登り切った魚は竜になる
という言い伝えがあったので
「龍門」と呼ばれていました。


登竜門は、その龍門を登りきること。
ここから、難関を突破して大きく飛躍すること
という意味になりました。


なお、このような意味で使われたのは
『後漢書』李膺伝(りようでん)がもとです。

この書の中に、李膺(りよう)という
たいへん実力のある人物がいて
彼に認められると出世まちがいなし
と言われていました。

ここから、彼に認められることを
魚が龍門を登って竜になることに例えられました。
これが登竜門の由来です。


漢字についてですが
「龍」は「竜」の古い書き方で
ここでは同じ意味と考えてよいです。
「登龍門」「竜門」と書くこともあります。


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誤用が一般化している?


上記の由来から、登竜門は
「厳しい関門(龍門)を通ること」
という意味になりますが、

先ほど少し述べた通り、
実際には関門そのものを指す
使い方をされることが多いです。



さっきの例でいえば
「芥川賞を受賞するのは文壇における登竜門だ」
ではなく
「芥川賞は文壇における登竜門だ」
ということですね。


黄河にあるのは「竜門」、
そしてそこを登る、という意味で、
「登竜門」という場所があるわけではないので
この使い方は誤用になるはずです。

ただ、辞書でも後者の使い方が載っていますし
すでに一般化してしまっているので
いまさら直すのも難しいでしょう。

なので、上記の使い方は
もはや間違いといえないかもしれません。


まあ、こういう話は
「どっちでもいいいじゃねえか」
と思われる人もいると思いますが

「登竜門を登る」という表現は
「頭痛が痛い」や「危険が危ない」と
同様の重複表現になっていることは
知っておいたほうがいいでしょう。


以前ほどは使われない?


登竜門という言葉は、
難しいけど達成すると大きな成果があるものとして
ふさわしい表現でしょう。

古来より、龍が天に昇るありさまは
出世や成功の象徴として描かれていましたし
現在でも鯉のぼりなどで表現されています。

資格や賞を目指す人にとって
成功した自分の姿を天を駆け巡る龍に
例えられるわけですから

この言葉は励みになりますね。


ただ、最近は価値観が多様化してきており
「これを達成すれば将来安定」
というものが減ってきているのも事実。

以前は国家資格を取れば
仕事には困らないと言われていましたが
最近はなかなか大変ですし
大企業に入っても必ずしも安心できません。

それに合わせるように
この登竜門という言葉も
あまり使われなくなったように思います。


しかし、現在でも難関大学や有名な資格は、
あれば有利になることには間違いありませんし、
大変な試験勉強の勢いをつける言葉として
役に立ってくれるでしょう。


また、試験だけでなく
むつかしい仕事を頼まれたり
厳しそうな部署に回された場合も

「この仕事をやりぬくのは
この業界でやっていくための登竜門となる」
「あの部署で働くのはこの会社の登龍門だ」


といった使い方をすることもできます。


世の中大変なことはたくさんあるので
登竜門という言葉を使って
奮い立たせるのもいいですね。


反対の意味の言葉
(力及ばず失敗すること)としては
点額(てんがく)
というものがあります。

これは龍門を登るのに失敗して
岩に額をぶつけて傷(点)をつけてしまう
ことから来ていますが、

もちろんこんなことにならず、
登竜門を目指していきたいものです。


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