確信犯(かくしんはん)とは結局どっちの意味?
誤解されている言葉の代表として
よくとりあげられるのが
確信犯(かくしんはん)
まちがった解釈での使い方が
新しい意味として認知されつつもありますが、
最近はまたやっぱり誤用と言われることもあります。
結局どっちなんでしょう。
こういうややこしい状態にある言葉は
誤解のおこらないよう、
本来のものと新しい意味の
両方を知っておくのが一番です。
それではこの確信犯とは
どういうものかについてです。
まずは本来の意味を
確信犯とは(かくしんはん)
それが正しいことと信じて行われる犯罪、
という意味です。
![驚きの表情](http://kotowaza-kanyouku.com/wp-content/uploads/2017/08/MAX86_gaijinnohannou20140531_TP_V-300x200.jpg)
なんのこっちゃ?
と思う人もいるかもしれませんが、
本人は正しいと思いながら
犯罪をおこなうケースはあります。
昔の例でいうと
学生運動で校舎を破壊するのも
そういったものの一種といえるでしょう。
また、悪代官を退治するとか
理不尽な理由で逮捕された人を
たすけるといったことも
法律をやぶっていることになるので
それが正しい(と思っている)
ことであっても犯罪になります。
つまり確信犯とは
良いことであれ悪いことであれ
・法に触れる(つまり犯罪)
・しかし本人は正しいことと思っている
ということになります。
よくされている使い方は
上記のものが本来の理由ですが
こういった使い方をされるのは
むしろまれで、
いっぱんに、確信犯とは
「悪いこととわかっていながら行われる行為」
という意味で使われるようになっています。
![やれやれ](http://kotowaza-kanyouku.com/wp-content/uploads/2016/01/PAK85_lalamaittawai20140321_TP_V-300x181.jpg)
「先生! 宿題をわすれてしまいました」
「本当にわすれていたの?」
「いえ、じつはテレビを見ているうちに
眠たくなってしまったので、やりませんでした」
「わかっていてやってこなかったのね
確信犯だな!」
みたいな感じですね。
だいたいは、
わざとやっているにも関わらず
偶然をよそおっていてセコいなあ、
という意味合いで使われます。
「あの課長はいそがしい時間になると
いつもトイレに行っていなくなるね」
「確信犯ですよ、あれは」
といった使い方ですね。
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それは果たして誤用なのか?
この確信犯という言葉、本来の意味と
世間に広まっていてよくされる使い方に
けっこうな違いがありますよね。
問題は、どちらが
正しいということですが、
2002年の世論調査では
6割以上の人が、
あとから使われるようになった意味の、
「わかっていながらやっている」
と覚えているそうです。
![本で驚く](http://kotowaza-kanyouku.com/wp-content/uploads/2016/03/OOKAWA9V9A6907_TP_V-300x186.jpg)
ただ、ほかの慣用句などは
まちがって覚えている人が多くても
本来の意味とちがえば
「それは誤用だ」となるのですが
この言葉にかんしては
あとから使われるようになった使い方が
世間にひろまりすぎて
もはや誤用ではなく
新しい意味として定着しつつあります。
辞書でも確信犯とは
1.正しいと信じて行われる犯罪
2.わかっていながら行われること
と、両方のっていたりしますからね。
まあ、
「正しいと信じてされる犯罪」なんて
日常生活ででくわすことなんて
まずないですから、本来の使い方って、
普通は使う機会がないですからね。
もともと法律用語なので
なじみもないですし。
そうなので、2.の
「悪いとわかっていながら行われること」
という意味が広まるのも
自然なことかもしれません。
じゃあ、もう新しいほうの使い方で
いいんじゃないか
と思われるかもしれませんが、
ややこしいことに、最近では
本来の意味も
よく言われるようになってきています。
![こまる](http://kotowaza-kanyouku.com/wp-content/uploads/2016/02/MAX76_idouwoiiwatasareta20140531_TP_V-300x200.jpg)
したがって、うかつに使っていると
「それは誤用だ」
なんて言われてしまうかもしれません。
今後どうなっていくかは
分かりませんが、現在のところ
両方の意味がある
と考えておいたほうがいいでしょう。
わざとやっている、という意味では
「故意犯(こいはん)」
という言葉がありますので
そちらを使うのもいいですね。
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