苦渋の決断や苦渋の選択の意味、時には必要なことも

こんな言葉、好きという人は
いないでしょうけれでも、
人生において、幾度かは経験するでしょう。

苦渋(くじゅう)


苦渋の決断とか、苦渋の選択とかいいますね。

今回はこの、
「生きていくことって大変」
というのがにじみ出る言葉の意味についてです。





どういう言葉か


苦渋とは(くじゅう)、
物事がうまくいかず、くるしんだり悩んだりすることです。



たとえば苦渋の表情といえば、
「うわ、夏休みがあと10日なのに
宿題ぜんぜんやっていない。
まずい、今からあわててやるぞ、
ぐっ、ちっとも分かんない。ぐぐぐ」

というときに浮かべる表情と考えればいいでしょう。

そして苦渋の日々といえば、
そこから宿題が終わるまでの、
つらく苦しく悩める日々のことになります。


それぞれの文字が、
「苦い(にがい)」「渋い(しぶい)」で、
これらはどちらも味に関する漢字ですが、
両方とも大変な思いをする、という意味もあります。
ようするに漢字そのままの言葉ですね。



この言葉の意味を考えると、使い方もそれこそ、
くるしみと悩みの数だけあるわけですけれども、
代表的なものはやはり先ほど言った、
苦渋の決断と、苦渋の選択でしょう。


順に例をあげていくことにします。


苦渋の決断


これは、苦しくてつらい決定を下す、という意味です。
自分で決断してはいるのですが、
なにか困ったことがあって、しょうがなくこうする、ということですね。


たとえば、
先祖から代々次いで来た家業を
苦渋の決断でやめることにした。


時代の変化でひとびとに必要とされなくなっても、
先祖から受け継いだ仕事をやめるのはつらいもの。
そういった苦しさをあらわしていることになります。


彼はとてもよく練習していたが、
苦渋の決断でレギュラーから外した。


チームの事情、またはケガなどで、
どうしてもこういったことをしなければいけないこともあります。
外された本人はもちろん、決定を下す監督もつらいものです。
こういう場合にも使われる言葉です。


ケーキを食べたかったが
ダイエット中だったので、苦渋の決断であきらめた。


こういう使い方だってできるでしょう。
大したことないようですが、
甘いものをガマンするのは大変ですからね。


このように、
なにか辛いことをともなう決断のときに、使うことができます。

基本的に困った状況のときが多いですが、
最後の例のように
「それは単なるゼータクじゃないの」
ということもありますね。

でも何かを選んで何かをあきらめるというのは
やはりストレスがあるものですから
意味として間違ってはいないでしょう。


苦渋の選択


こちらは、
つらく苦しい思いをしながら何かを選ぶ、という意味です。
さっきと似ていますかね。

ただ、こちらの場合、「選択」というだけあって、
やむをえず、どれかを選ばないといけない、
という状況での使い方に向いています。



会社が赤字でどうにもならないので、
リストラをしなければならない、
苦渋の選択だが、彼にやめてもらうことにした。


本当は誰にもやめてほしくなんかないけれど、
だれか一人をえらばないといけない、ということですね。
これはなかなか辛い選択です。


試験が明日なので、
ぜんぶの科目を勉強する時間がない。
苦渋の選択で、数学をあきらめた。


本当はぜんぶの科目をキチンとやりたいけど、
時間がないので仕方なくあきらめます。
それよりももっと早くから勉強しろよ、という話ですけど。


チーズケーキとチョコケーキで迷ったけど、
苦渋の選択でチーズケーキにした。


チョコケーキもおいしいですもんね。
食べたかったですね。


最後の例は
「チーズケーキ食べたのは
べつに辛いことではないじゃないの?」

と思われるかもしれませんが、
そのためにチョコケーキをあきらめるのが
辛かった
、ということになります。

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こんな使い方はしません


このように、
苦渋とは、つらく苦しい状況ですが、
もうちょっとくわしく言うと、
うまくいかない、悩めることに対しての使われ方をして、

セリフにすると
「どうしよう…」
「こまったなあ…」
「むむむ」
「ぐぐぐ」

みたいなかんじです。


なので、
よりせっぱつまった苦しみや直接的な痛み、
「ぎゃー」
「うげー」
「あわわわわ」

といったこと対して、

たとえば
「怪我が痛くて苦渋の表情を浮かべる」
というような使い方はあまりしません。


こういったときは
苦悶(くもん)という言葉のほうがふさわしいですね。


「怪我が痛くて苦悶の表情を浮かべる」
こちらのほうが意味があっているでしょう。


避けられないことだってありますから


ということで、
苦渋(くじゅう)とは、
うまくいかなくて悩んだり
苦しんだりするという意味です。


こういったことは
生きていると誰しも経験があるでしょう。


ギリギリにやるかはともかくとして
宿題や試験勉強で大変な思いをしたり、
仕事で大変な思いをしたり、
ダイエットでおいしいものを我慢したり、
というのは、そんなに珍しいことではないですから。


そして
「苦渋の決断(選択)」
といった使い方をするとおり、
みずから進んで、その大変さを引き受けることだってあるでしょう。
ふう、大変ですね。


でも、そうすることによって
試験の点が良くなったり、
仕事がもちなおして上手くいったり、
ダイエットに成功したりと、


なにかしらの良いことがあるわけですから
つらくて苦しい状況も、
そういった、よい未来を想像して、
なんとか乗り越えていきたいものですね。


にている言葉として
苦汁(くじゅう)というものがあります。
苦汁をなめるや苦汁を飲むとは?「苦渋」との違いについても

読み方も同じてまぎらわしいですが、
違いについても書いていますので、
よろしければご覧ください。

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