対岸の火事の意味、使い方は気をつけたほうがいい
これは良く使われる言葉なので、
自然に覚えてしまう人も多いでしょう。
対岸の火事(たいがんのかじ)
意味も特に難しいものではないですが、
むやみやたらと使っていると
あまり印象がよくないので、
使い方、場面を選ぶ言葉です。
また、それほど多くはないですが、
誤用されていることもありますので、
今回はこの「対岸の火事」の意味と
使い方について述べていきます。
意味のおさらい
対岸の火事(たいがんのかじ)とは
大変なことが起きているが、
自分にはまったく関係がない、
ということです。
火事が起こると命の危険にさらされますし、
たとえ無事でも財産を失ってそのあとが大変、
また、自分の家でなくても
となりの家が火事になると
こちらまで燃えうつる危険があるので、
ひとごとではいられません。
しかし、対岸の火事とは
川や海の向こう側で起きているできごと。
自分の家とのあいだに大量の水があるので
こちらまで火がくる心配はありません。
ここから、
とんでもない事態が起きているものの、
自分には関係がないという意味で
対岸の火事という言葉が
使われるようになりました。
どのような使い方をするか
この言葉、じっさいには、ほとんどの場合
否定する意味の使い方がされます。
「今回の事故は、わたしたちには被害がなかったが
だからといって対岸の火事と思わずに
じゅうぶんに注意しよう」
という具合ですね。
まあ、
「対岸の火事だから関係ないや、わーい」
ではなんだかバカっぽいですし
なにもわざわざ口に出だして
言うこともないですから、
こういった使い方になるのが自然でしょう。
むこう岸の火事だからと安心していると
火の粉がとんできて、こっちも火事になった、
なんてこともありえますし、
油断していたら
とんでもない目にあうことだってあります。
そうならないように注意しようと
戒めるための使い方が多いのですね。
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言葉どおりの意味で使うなら
もちろん、
そのままの意味の使い方もできます。
たとえば、目前に試験をひかえた受験生が
遠い外国の地震のニュースを聞いたとします。
大変なことですが
彼にはどうしようもありません。
こういった場合、
そのようなことに心を痛めすぎるよりも
まず自分自身の受験が大事でしょう。
その場合、
「これは大変な災害だけど、対岸の火事だから
まずは自分がやるべきことをがんばろう」
という使い方ができます。
しかし、こういった極端な例をのぞくと
自分には関係ないという意味の使い方は
あまり使わないほうがいいでしょう。
とくに仕事でトラブルがおきた場合など、
「それは対岸の火事だから私には関係ない」
というと、
いかにも無責任な印象をあたえてしまいます。
たとえ本当に関係なかったとしても
必要がなければ、口は禍の元といいますし
言わないほうがいいでしょう。
誤用にも注意
なので、
「対岸の火事だと思わずに注意しよう」
といった使い方をされることが
とても多いのですが
そのため、この言葉の意味を
「危険がせまってきているので注意がいる」
という風に
まちがえて覚えてしまうかもしれません。
しかし対岸の火事の意味は
最初にのべたように自分には関係ない
ということなので
そこは間違えないように注意がいります。
自分とは関係ないことでも
いましめとするべき、という意味では
他山の石という言葉があるので
こちらを使ってみるのもいいでしょう。
他人のトラブルは
つい関係ないことと
高見の見物をしてしまいがちですが
うっかりすると巻き込まれたり
いつの間にか他人事でなくなっていることも
わりとありますので
油断しないようにしたいものです。
類語には
対岸の火災
川向こうの喧嘩
があります。
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こういう言葉を知らないだけでなく、知ろうとする姿勢がなく、恥じる気持ちもない人が少しづつ増えてきているようです。
そういう日本の状況を回復させたいと思っているのですが。
コメントありがとうございます。
このブログが、少しでも多くの方にとって
言葉について知るためのお役に立てれば幸いと思っております。
意味も特にむつかしいものではないですが、
↑
平仮名で書くとき、「むずかしい」だと思っていました。
「むずかしい」「むつかしい」どちらも間違いではないようですが、「むずかしい」が一般的なため、今後はそちらか、漢字で記述するようにいたします。
ご指摘ありがとうございます。