断腸の思いの意味、極端なたとえの慣用句は使い方がむつかしい!

たまにテレビなどで、
誰かが言っているのを聞くことがあるのが

断腸の思い(だんちょうのおもい)


これを言っている人は
みんな苦しそうな表情をしているのですが

では断腸とはどういう意味で
どんな慣用句なのか?

これについてのべていきます。


どういった意味なのか


断腸の思い(だんちょうのおもい)とは
はらわたがちぎれるほどに
つらく、苦しい思いをする、ということです。



はらわたとは内蔵、おもに腸のことなので
断腸とは腸がちぎれるということですね。

「断腸の思いで、大事にしていたものを捨てる」
といった使い方をします。


古い思い出の品物や、置き場所がなくなったものなど
本当は捨てたくないけれど、
何かの事情でやむを得なく手放す、
なんてことは人生ではよくあることです。

そういった時に、この慣用句を使うと
つらい思いをよく表せるでしょう。


もちろんそれ以外のケースでも
とにかく苦しいときに
この慣用句を使うことができます。



まあ、いくらなんでも
腸がちぎれるほどでもないだろう
とは思いますけどね。
でも、あくまで比喩表現です。

なので、
「断腸の思いで甘いものをひかえる」
といった友達に

「おまえ、腸がちぎれたことあるのか?」
とかいって、からんだりしないようにしましょう。



あと、テレビでこれを言っている人も
「本当にそんなにつらいの?」
と疑ってしまいそうになることもありますが、

あくまで言葉の意味としてはこうだ、
ということですね。


注意点は?


この慣用句を使うにあたって
気を付ける点としては、やはり
表現がおおげさになりがちなことでしょう。


なにしろ例えがすごいですからね、
あまり大したことないとき、たとえば

「ちょっと風邪を引いたけど、
断腸の思いで出勤しました」

なんて使い方をすると

「なんて大げさなやつだ!」
とあきれられるかもしれません。


反対に、わざと大したことないこと、
たとえばカフェなどで
「抹茶のケーキも食べたいけど
断腸の思いであきらめて、チーズケーキにする!」


といった使い方をすると
ちょっとした笑いがとれるかもしれません。


日常生活では、そんなに一大事なことが
そうしょちゅう起きたりはしないですから、
実際にはこういった冗談めいた使い方をされるほうが、
むしろ多いように思います。

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使い方としては


この慣用句は、その意味の通り、
とてもツライときに使うのですが

単に苦しい状況をあらわすよりも
苦しい思いをしながら何かをする
という風に使うことが多いです。



「引っ越し先に置き場所がないから
断腸の思いで、大事にしていたぬいぐるみを処分した」

とか、

「愛着のある会社だけど
断腸の思いでやめることにした」

といった感じですね。


たんにツライ思いを表すこと、たとえば
「テストで点数が悪かったので断腸の思いだ」
という使い方はあまりしないのですが

この言葉の由来を考えると
こういった使い方も
間違いとはいえないと思います。


ちなみに、その由来は
とても悲しい思いをした
お猿さんのお話なのですが

それについてこちらで詳しくのべています。
断腸の思いの由来は悲しくもちょっと不可解な話


ということで、とてもつらく苦しいという、
割と単純な意味なのですが、

こういった極端なたとえの言葉というのは
案外使いどころがむつかしいものです。


もっとも、この慣用句は
自分で使うよりも、誰かが使っているのを
聞いたり本で読んだりすることが多いとは思いますが、

自分で使う場合、先ほどのべたように
冗談として言ってみるか、そうでないときは
ここぞという一大事のときに
使ってみるといいでしょう。

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