疑心暗鬼の意味は知っても知らなくても怖い、克服するには?

一度この状態にはまりこむと
なかなか大変なことになる

疑心暗鬼


今回はこの言葉の意味についてです。

知っておくだけでも
克服する役に立ってくれますし、

本来は人の心理状態を表す慣用句ですが、
戒めるための使い方もできます。



どんな意味か


疑心暗鬼(ぎしんあんき)とは
なんでもないことを疑ってしまったり
おそろしいと感じてしまうという意味です。



疑心とは、疑う心、
暗鬼とは、暗闇の中の亡霊や鬼。

つまり、疑う心があると
存在しない亡霊や鬼のようなものが
いるように感じられ
何でもない暗闇を怖れてしまうということです。

疑心暗鬼を生ず(ぎしんあんきをしょうず)
ともいいます。


由来はどこから?


割と使われる言葉ですが、
出典はかなり古く
中国の『列子・説符』の話がもとです。


それは次のようなもの。


ある男が、斧をなくした。

それで、隣家の息子が
斧を盗んだのではないかと思って見ると
その歩き方、顔色、話し方、
ことごとく怪しいそぶりに感じられる。


しかし斧は、谷から出てきた。

それから、同じ隣家の息子を見ると
どこにも怪しいようには感じなくなった。


……という意味の話です。

隣家の息子は、何もしていなかったのですが
疑いながら見ていたので
そのそぶりが怪しく思えたのですね。

このように、なんでもないことを見て
怪しいと感じることが、
疑心暗鬼を生ず、という意味です。


ただしこの話で出てくるのは
窃鈇之疑(せっぷのぎ)という言葉で、
「疑心暗鬼」という言葉が
実際に出てくるのは、この話を解説した

沖虚至徳真経鬳斎口義
(ちゅうきょしとくしんきょうけんさいくぎ)
という文献です。
やたらと長い名前ですね。

まあ、ようするに
斧をなくして無実の人を疑ったという
中国の故事が由来ということです。




子供の頃、この言葉の意味を知る前は、
字を見ると妙に怖ろしく感じたものです。
疑う心に暗闇の鬼ですからね。

なんか、肝試しとかそういうのを思い出しました。
しかし、実際には
肝試しよりももっとおそろしいものです。


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感情的になると疑心暗鬼になる


子供のころ、大事なプリント類がなくなって
「お母さんが間違えて捨てた!」
と思ってしまったけど
実はノートの間にはさまっていただけ、

こういったことも疑心暗鬼を生ずる
から起きる間違いです。


結果的になくしたものが出てきたのはいいですが
探している間、母親に文句を言ったりしていたら
よけいな迷惑をかけていることになります。


こういったことは
「大事なものがなくなった、どうしよう!」
という、不安や焦りから
誰かのせいにしたくなる心理から
起こるものと考えられます。


家族に対して疑心暗鬼になっていたら
家の雰囲気が悪くなりますし
仲間や恋人にそのような感情をいだくと
大切な人を失うきっかけになりかねません。


「裏切るのではないか」
「浮気しているのではないか」

といった不安が大きくなると
ありもしない疑いを抱き
疑心暗鬼という意味通りの
状態になってしまいます。


どうやって克服するか


このように、たいへんやっかいな
疑心暗鬼を生ずることですが

一度疑うと、どうしても不安になり
その不安がまた悪い想像をさせ
際限なく膨らんでいき、
これを克服するのは簡単ではありません。


心配症だったり
プライドが高い(=だまされたくないという気持ちが強い)
自分に自信がないと

このような状態におちいりやすいので
注意が必要ですね。


ただ、「疑心、暗鬼を生ず」
つまり疑う心が鬼(悪いこと)を生んでいるので
この言葉の意味を知っているだけで

「ひょっとして、
疑心暗鬼になっているのでは?」

と考えることができます。


そのような場合、克服するためには
いったん考えるのを止め
しっかり休んだり、運動して気分を変えてから
改めて考えるといいですし
信頼できる友人に相談するのもよい方法です。


とくに恋愛など感情がからむことは
疑心暗鬼になりやすいので、注意がいりますね。

案外杞憂に終わった、ということも多いものです。

石橋を叩いて渡るのも大事ですが
あまり心配してばかりいると
健康にも人間関係にもよくありません。


どうしても心配な場合は
「この人を信じて失敗したのならしょうがない」
と思えるくらい信頼できる相手かなど、
改めてしっかりと考える必要もありますが、

いずれにしても不安にかられた状態では
正しい判断は下せないものですから
明鏡止水の心境で臨みたいものです。


類語には

恐ろしければ藪が動く
落ち武者は薄の穂にも恐ず
茄子を踏んで蛙と思う
杯中の蛇影
幽霊の正体見たり枯れ尾花


などがあります。

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