暖簾に腕押しの意味、「のれん」「腕押し」って何?

なんとなく、
疲れて脱力してしまう言葉です。

暖簾に腕押し(のれんにうでおし)


言葉の雰囲気が独特ですね。
ノレンニウデオシ


急に誰かに言われると
意味が分からずイライラしそうですが
知ったところで、やはりイライラしそうな慣用句です。




どんな言葉か


暖簾に腕押しとは(のれんにうでおし)
こちらが何かをやっても反応や手ごたえがなく、
はりあいがないという意味です。



「ゲームしようぜ!」
「べつにやりたくない」
「じゃあ出かけよう」
「めんどう~」
「勉強するか!」
「ねる」

こんなふうに
なにを言ってもいまいちな反応のとき
「暖簾に腕押しだなあ」
という使い方をします。


また、ゲームをやったらやったで
「おい、もうちょっとマジメにやれよ。これじゃすぐに僕が勝っちゃうよ」
「じゃあ君の勝ちでいいよ」
「そんなんで勝っても暖簾に腕押しでつまんない!」

という使い方もできるでしょう。
勝負には勝ちたいものの、
相手があんまり弱かったりやる気がなかったら
勝っても面白くないですからね。


あとは
「みんなしっかり練習がんばれと毎日言っているけど
暖簾に腕押しで、だれも聞かない

みたいな悲しい使い方もできます。
じっさいはこういう使い方をされることが多いんじゃないかと思います。


このように、こっちが一生懸命なにかを言っても
ふわふわと、いまいち聞いてくれていない状態をあらわす言葉です。
こういうのは、とっても疲れますね。
書いているだけでも、ちょっとげんなりするくらいですよ。


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「暖簾」って何?


暖簾(のれん)とは
お店の入り口とかにかかっている布です。


こういうものね。

暖簾(のれん)

むかしながらの居酒屋とか、
ラーメン屋さんで見かけますね。

「いまやってる?」
みたいにくぐって入るやつ。

たいてい「居酒屋」「ラーメン」
あるいはお店の名前などが書いてあります。

あとお風呂屋さんでも見かけます。
「男湯」「女湯」と書いているあれです。


どことなく昭和の雰囲気を感じさせます。
昭和というか、江戸時代ぐらいからあるんでしょうけれども
とにかく昔の雰囲気ですね。

ただ、最近では暖簾のある店もへってきているので、
観光地とか、テレビの時代劇とかのほうが見ることが多いかもしれません。

もしくは、
おしゃれな部屋のアイテムとしても売っています。
おしゃれな暖簾(のれん)をAmazonで見てみる
きれい。こういうのは部屋の仕切り用ですね。


ともかく、この暖簾ですが、
腕で押しても当然ながら手ごたえなんてありません。
あったら通りにくいですよ。

ここから手ごたえや反応のないことを、暖簾に腕押しというのですね。


じゃあ「腕押し」は?


これは文字通り「腕で押すこと」という意味でも使われますが、
腕相撲という意味もあります。


腕相撲はごぞんじかとは思いますが、
腕の力を競うもので、こういうものですね。

腕相撲

したがって暖簾に腕押しも
たんにのれんは押しても手ごたえがないという由来のほかに
暖簾と腕相撲をしても相手になんてならない
というのが語源ともいわれます。



まあこの説はシュールというかなんというか、本当に
「よし、いっちょ暖簾と腕相撲をするぞ、
およ、手ごたえがなくてつまんない」


とかやっている人がいたら、
ことわざや慣用句の意味よりも
病院の場所を調べたほうがそうですが、
これはあくまでたとえですからね。


それに、こういう突拍子もない言葉の組み合わせは面白いです。
「猫とロボットとモーツァルト」みたいな
哲学的な雰囲気すら感じさせます。


類語について


この暖簾に腕押し(のれんにうでおし)の
類語ですが、もっとも近いものは

豆腐に鎹(とうふにかすがい)
糠に釘(ぬかにくぎ)

鎹(かすがい)は木をつなぎとめるクギのようなもの
やわらかいトウフにそんなもの打ち込んでも意味がないということ、

糠(ぬか)はお漬物などに使われるもの
味噌(みそ)のように柔らかく
やはりクギを打ち込んでも手ごたえがないということで、これも同じ意味です。


あと分かりやすいものとしては
泥に杭(どろにくい)

また、先ほど述べた由来から
暖簾と相撲(のれんとすもう)
ということもあります。


「言っても全然聞いてくれない、効き目がない」
という意味だと
馬の耳に念仏(うまのみみにねんぶつ)
蛙の面に水(かえるのつらにみず)
というのも有名です。


このように類語はたくさんありますが、
意味はちょっとずつ違うので
うまく使い分けるとよさそうです。


まあ最初にのべたとおり、
ちょっとイライラする状況をあらわす慣用句なので
あんまり使い慣れても
なんか愚痴っぽくなりそうですが
言葉の使い方が上手になることはいいことですからね。

うまい具合に表現できると
イライラも少しはましになりそうなので
知っておいて損はないでしょう。

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