一挙両得とはどんな意味で対義語との両立はどうするべきか

ちゃっかりしているとも言えますが、
大切なことかもしれません。

一挙両得(いっきょりょうとく)


私はこの慣用句、わりと好きですね。
まあ意味から考えると
たいていの人は好きなことだとは思いますが。


今回はこの言葉についてです。





こういう慣用句です


一挙両得(いっきょりょうとく)とは
ひとつのことをして
二つのことを手に入れる
という意味です。



先生に質問したら
問題が分かったうえに
ほめられた。

おつかいで親戚の家にいくのに
親からお駄賃もらったうえに
むこうでお菓子をごちそうになった。

取引先の人と話したら
勉強になったうえに
仕事をもらえるようになった。


このように
やったことはひとつなのに
ふたつのいいことがある場合に

「一挙両得だ」
と言うことができます。


あまり狙いすぎると
わざとらしくなって
逆効果かもしれませんが、

思いがけず、
ふたつめの利益が出たときは
ちょっと嬉しいですね。


仕事でも、収入になるだけでなく

・将来やることの勉強になるから
・そこの人間関係がいい
・好きなことができて楽しい

収入プラスなにかを
同時に達成している人
のほうが
たんに生活のためにやっている人よりも
成果をあげることが多いですし、
人生楽しそうに生きてますからね。

こういうのは大切だと思います。


由来は中国から


この「一挙両得」は
中国の歴史書である
「晋書(しんじょ)」からきています。



ある男が、虎を退治しようとした。

虎は二頭いたため、
まず、その虎同士を戦わせ、
勝ったほうを退治した。

こんな話で、つまり
一回戦っただけで二頭の虎を退治した
ということです。

昔から、こういう要領のいい人はいたのですね。


日本では、どちらかというと

石の上にも三年(いしのうえにもさんねん)
一念天に通ず(いちねんてんにつうず)

のように
ひとつのことをひたすら頑張る
といったことわざが
大切にされやすく、

もちろんこれはこれで
とても大切なことには違いありませんが、
こういった一点集中型の考えは
上手くいかないときに
どん詰まりになる可能性もあるので


「一挙両得」のような
要領、効率のよさも
多少なりとも考えてみると
視野が広くなるかもしれません。


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こんな使い方は大丈夫?


一挙両得は文字通り、
一挙(一つ動作をして)
ふたつのものを得ることですが、
たまに、3つ以上のものを得るときにも
使われることがあります。



「こらからはチームの練習を
プロの先生に見てもらおうと思う。
より練習の成果が出るし、
プロの先生がいると予算も出やすくなるし、
部員も集まりやすくなる」

「さらに、そこから人脈も広がるので
いいことだらけで、
まさに一挙両得ですね


これは正しいのか?


言葉の意味、由来から考えると
一挙両得とは「ふたつの利益を得る」
なので、このような
「たくさんの利益を得る」
という使い方は、厳密には
まちがいということになりそうです。



しかし、現実問題として
こういった話をしているときに

「いや、一挙両得とは
虎が二頭いたことに由来するから…」
とか
「『両』という漢字は
ふたつのことをあらわすから
みっつ以上には使えませんでござる」

などと言ってはうるさいでしょうし、
話の腰が折れてしまうこと
はなはだしいので

いちいち指摘するほどでもないかとは思います。


類語について


同じ意味で有名なのは
なんといっても

一石二鳥(いっせきにちょう)
ですね。

一挙両得よりも
こちらを使うことが
多いんじゃないでしょうか。

まあ、どっちも有名な慣用句なので
どちらでも通じるとは思います。


一挙両得は中国由来ですが、
一石二鳥は、もともと
イギリスの言葉なので

違いは意味よりも語源にあります。


類語って多少なりとも
ニュアンスが違うか、
まったく同じならどちらかが
使われなくなることが多いですが、

このふたつに関しては
ほぼ同じでありながら
両方ともわりと使われている
珍しい例ですね。


対義語は?


反対の言葉としては

ふたつのことを求めて
ひとつも出来ないという意味で

二兎を追う者は一兎をも得ず
(にとをおうものはいっとをもえず)
虻蜂取らず(あぶはちとらず)

というのが有名です。


また、ひとつのことをやって
二つの損失をこうむるという意味で

一挙両失(いっきょりょうしつ)

と言われることがありますが、
辞書に載っていなかったり、
あまり使われないので、

うっかり使うと
「なにそれ?」
となるかもしれません。



対義語とはちょっと違いますが
立て続けに悪いことが起こるという意味で

泣きっ面に蜂(なきっつらにはち)

というのもあって
これは良く知られている慣用句なので
場合によってはこちらを
使ったほうがいいかもしれません。


けっきょくどうすればいいのか?


この一挙両得や一石二鳥は
「でも二兎を追う者は一兎をも得ず
なんて言葉もあるよね」

と反論を受けることになりがちです。

たしかに、あれもこれもと
よくばると、ロクなことがないですからね。

しかもよくばった結果、
ぜんぶ失敗すると、
なんかバカっぽく見えるというか
ちょっと恥ずかしいですものね。

金魚すくいでまとめて二匹
取ろうとしてアミがやぶれたりとか。
遊びながら宿題やってしかられたりとか。


ただ、二兎を追う者は一兎をも得ずや
虻蜂取らずになってしまうのは
あれもこれも同時にやろうとしたり、
「アブをとろうかハチをやっつけようか」
みたいに迷ってしまうのが原因のことが多いです。

一挙両得とは
あくまで行為としては
「ひとつのことをやる」で、
「ふたつのことを同時にやる」
という意味ではないですから、


「運動がうまくなって
健康にもなる練習はこれ」
などと、

やることをしっかり決めて
あとは迷わずそれに集中すれば
いいんじゃないかと思います。



何も考えず
「あれも欲しいこれも欲しい」
だと、何にも手に入らなかったりしますので
そこは注意がいりますが、

「勉強するのはホメられるし
自分の将来のためにもなる」

「料理を研究すると面白いし
みんなも喜んでくれる」

などは
「試験があるからただ勉強」
「食べないといけないから料理をする」

みたいにひとつの理由だけでやるよりも
続けやすくなくなるので、
こういうふうに
一挙両得をねらうのは
いいことですね。



大昔のムーミンのアニメで
スナフキンが
「釣りは好きで楽しいし、
魚が手に入り生活のためにもなる」

というようなことを言ってましたが、
こういったことまで出来るようになると
理想的な生活ができそうです。


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