発破をかける(はっぱをかける)の意味を取り違えないように
たま~に聞くことがありますが
どう書いていいのか分からないのが
発破をかける(はっぱをかける)
口で言ったり、聞いたりすることはありますが
文字で書くことはあまりありませんからね。
意味についてとその由来、
また使い方の難しさについて
述べていきたいと思います。
どういう慣用句か
発破をかける(はっぱをかける)の意味は
力強い言葉、激しい言葉で
相手の気合を入れたり、行動を後押しをすることです。
力強い言葉、激しい言葉なので
「いや、君が頑張っているのはよく分かるよ、
でも、あの、ここをもうちょっとこうしてくれたら
もっといいんだけどなあ」
なんて、やさしい言い方ではありません。
「コラ! しっかりせんかい!
気合入れろ!」
みたいな激しい言葉、
もしくは
「おいおい、そんな仕事ぶりで
大丈夫と思っているのかい、
おめでたいヤツだなあ、え?」
といった、相手を挑発するような言い方の
場合に「発破をかける」という意味になります。
発破とは何か
発破とは爆薬などを仕掛けて
岩や建物などを爆破すること。
もしくはそれに使う爆薬そのものです。
トンネル工事やビルの解体で
「ドゴーン」とやるものですね、
実際に見る機会はまずないですが
映画やテレビでは一度は見たことあるでしょう。
「はっぱをかける」は漢字で書くと
「発破を掛ける」、
つまり爆薬を仕掛けるといった意味になります。
なので、慣用句として
「○○君に発破をかける」と言う場合は
爆弾を仕掛けるくらい激しい言葉を浴びせる
ということになります。
ハッパと聞いて、普通思い浮かべるのは
「葉っぱ」ですが、これは間違いで
木の葉などを相手に振りかけても
しょうがないです。
まあ、慣用句ってものは
風が吹けば桶屋が儲かるような
実に回りくどい由来があったりするので
「どうせ葉っぱを掛けることが
気合を入れる意味になる由来が何かあるんでしょ?
中国の故事でそんな逸話があったとか」
などと深読みしてしまいそうですが
そんなものはありません。
そもそも発破を掛けること自体が
爆薬を使うことなので
少なくとも爆薬が発明されて以降の慣用句だと思います。
また、「はっぱかける」と
「を」を飛ばして言う人も多いですが
正しくは「はっぱをかける」です。
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類語はあるのか
「発破をかける」は
独得の意味合いの慣用句なので
類語があるようで、なかなかありません。
良く使われて近そうなのが
「背中を押す」ですが
これは勇気づけて行動を促すということなので
ちょっと違います。
「激励する」も同様で
こちらは励ます意味があるので少し違いがあります。
「尻を叩く」はかなり近そうですが
こちらはやる気がない人を
しぶしぶと行動させるニュアンスなので
「発破を掛ける」のような激しいものとは
これまたちょっと違いそうです。
間違えやすいのが「激を飛ばす」で、
これは発破を掛けると同じ使い方を
されることがありますが、実は間違い、
「激を飛ばす」は自分の考えを人々に伝える、
といった慣用句なので、別の意味なのです。
これについては、
こちらで詳しく書いてますので、よろしければ、ごらんください。
檄を飛ばす(げきをとばす)の意味は誤用されやすいが、かっこいい
近い意味のものはこれらですが
類語というには少々意味が離れている感じがしますね。
使い方の注意点
この発破をかけるという慣用句、
他に同じ意味の言葉がないためか
割とよく聞くことはありますが、注意すべき点は
自分のイライラを相手にぶつけているだけなのに
「あいつのために発破をかけるんだ!」
なんて都合よく使わない。
ということですね。
そもそも発破とは、トンネルを掘ったり
ビルを解体する目的でやるものです。
爆発させて何かを破壊すること自体を楽しんで
ストレス解消するためのものではありません。
なので、単に怒鳴り散らして
自分の怒りを誰かにぶつけることは
「はっぱをかける」とはいいません。
そんなことをしているのは単なるダメ上司。
ビルの解体も、安全に配慮して
爆薬の位置と量を慎重に配置する職人芸です。
同様に、慣用句での発破をかけるというのも、
かなりの高等技術といえます。
一流の監督や、名教師は
あえて相手に激しい言葉を浴びせたり
挑発して行動をうながすことができますが
それを見よう見まねで誰かに怒鳴り散らして満足、
なんてことはせずに
その結果、言われた生徒や部下が
良い方向に向かっているか、
しっかり見守っていくことが大事でしょう。
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「発破をかける」については、近年「ちょっかいを出す」「余計な言葉をかける」という意味での誤用も目立っているそうです。
コメントありがとうございます。
そのような使い方がされているのですね。
意味を知らないと、会話がすれ違いになりそうです。
教えていただき、ありがとうございます。