右往左往するとは大勢の意味なの?由来や類語はあるかについても

深刻でたいへんな事態から
ちょっとばかばかしい場面まで、ひとはとにかく慌てやすいもの。
そんな時にでてくる言葉です。

右往左往(うおうさおう)


右往左往


なんとなく文章の前後のから
意味を推測できる言葉でもあるのですが

この右往左往とはどういったものなのか、
なにか由来はあるのか?
類語はあるのか?


これらについて確かめました。




どんな意味か


右往左往とは(うおうさおう)
たくさんのひとが、あちこちに行って
混乱している、という意味です。



「こっちだ」「いやあっちだ」
「なにやってんだ! 俺はそっちに行くぞ」
「わたしはこっち」
ドンガラガッチャ!
「わー」「ひー」

こんな感じですね。

「往」という漢字は「行く」という意味なので、
「右に行ったり左に行ったり」ということになります。
つまり漢字そのままの言葉ですね。


使い方としては、
「ちょっと、みんな右往左往するんじゃないよ!」とか
「わけがわからなくて右往左往するよ」
というようになります。


ほかにはたとえば、

全校生徒がグラウンドに集まったけど
マイクが壊れて先生が何を言っているかわからず右往左往するばかり。

あとは
仕事で部長が適当な指示だしてくるから混乱してみんな右往左往する
取引先が無理な注文するから~、とか
お客さんが困ったクレーム(以下略)。

仕事は大変なものですね。


ひとりの時にも使えるのか


ひとり


この言葉、辞書には
「大勢の人が行ったり来たりする」
というように載っていることが多いですが、
「大勢」の部分は載っていないこともあります。


使い方としても
「あの子の書いた地図はまるでデタラメ、
おかげで道に迷って右往左往」
とか
「山に行くか海に行くかさっぱり決まらず右往左往する」など、

ひとり、もしくは数人が
あっちに行ったりこっちに行ったりするような使い方をされることがあります。

これは正しいのか?


これについては、辞書による解釈もさまざまのようですし、
少なくとも間違いとは言えないでしょう。

「右往左往」という漢字も
つまりは「右に行く左に行く」という意味なので
文字だけを見るかぎりは大勢でなくても使えそうですね。


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由来や語源はあるのか


この右往左往とは
語源はどこにあるのか調べてみましたが
これといったものはありません。

ひょっとして何か由来となった伝説などがあるのかもしれませんが、
さっき言ったとおり、漢字そのままの意味ですし、
はっきりした語源はない言葉なのかもしれません。


四面楚歌(しめんそか)臥薪嘗胆(がしんしょうたん)
のように、知らなかったら「なにコレ?」となるような
意味が分かりにくい四字熟語だと、たいてい由来はあるんですけどね。


こんな読み方、書き方も


右往左往とは「うおうさおう」と読みますが、
「うおうざおう」とも読みます。
「さ」の部分が「ざ」と濁るのですね。

あと「左往右往(さおううおう)」という書き方もあります。
これは「左右」のように、「左」を先に書く例ですね。


ただ、実際はにこういう読み方、書き方をする人にお目にかかったことがありません。
また、こういった読み方での使い方もむつかしいです。


ものすごく貫禄のあるおじいちゃんが
「もうみんな、『うおうざおう』いたしまして」とか
立派な大学教授が、
「きみ、そんな左往右往するんじゃない」
とか言ったら、なんとなく
「そんな言い方もあるのか」
となりそうですが、

若い人が下手に使うと
「右往左往だよ! そんな言葉も知らないの? うひゃひゃひゃひいひい」
とか笑われそうです。
こういう言い方もあるんだってば!


まあ無理せず右往左往(うおうさおう)というのが無難でしょう。
「うおうざおう」「さおううおう」では
意味が通じないかもしれませんし。


それになんだか「うおうざおう」って
大昔の王の名前みたいですね。「鵜哮坐王」とか書いたらそれらしくなる。
ちょっと乱暴な王のイメージ?
(もちろん実際にこんな名前の王様なんていません)


類語について


右往左往の類語ですが、
完全に同じ意味のものは意外とないです。
近いのは次のもの。


右顧左眄(うこさべん)

右を見たり左を見たりして迷うことです。
いきなり使ったら「???」となることうけあいです。


周章狼狽(しゅうしょうろうばい)

あわてふためく、という意味です。
こちらは「ろうばい」とあるので、いきなり聞いてもなんとか分かりそうです。


東奔西走(とうほんせいそう)

東へ西へ走りまわること。
ただしこれは何かのためにあちこち行ってがんばるというニュアンスなので、
右往左往とはちょっと使い方に違いがあります。


対義語としては
泰然自若(たいぜんじじゃく)
というものがあります。
あわてずに落ち着いているという意味です。


こうやって並べてみると
やはり代わりになる言葉はあまりなさそうですね。
そのためか、右往左往とはけっこう使われる言葉です。
しっかり意味と使い方を覚えておくといいでしょう。

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