暑さ寒さも彼岸までの意味といつまでなのか本当なのかについて

毎年3月と9月になると
なんとなく耳にする言葉ですね。

暑さ寒さも彼岸まで(あつささむさもひがんまで)


手紙でも使われるので、
時候の挨拶のイメージがあるかもしれません。

しかし、なにげない使い方をしていると、
ある日とつぜん、

「彼岸」っていつ?
ほんとうにそうなの?
そもそもどういう意味のことわざ?


など、疑問がわいてくるとこがあります。


今回はこのことわざについて述べていきます。




どんな意味なのか


暑さ寒さも彼岸まで
(あつささむさもひがんまで)とは、
暑いのは秋分の日(9/23前後)ぐらいまで
寒いのも春分の日(3/21前後)ぐらいまでですよ、
という意味です。



「9月も半ばというのに、まだまだ暑いなあ。
このままいくと12月ぐらいまで暑いんじゃなかろうか」
暑さ寒さも彼岸までというから、あと少しですずしくなるよ

夏っていちおう8月までですが、
9月になっていきなりすずしくなることって
あんまりないじゃないですか。

「すごしやすい秋だぞー」
と思っていたのにまだまだ暑くて
なんだか裏切られた感じ。
一体いつまで暑いのかとうんざりした頃に
使いたくなる言葉ですね。



あとは最初に述べたとおり、
時候の挨拶(あいさつ)としての使い方もされます。


暑さ寒さも彼岸までと申しますが、
ようやく春らしくなってきましたね。
いかがお過ごしでしょうか。

ていねいな言い回しをしたい時は、
こういった言葉を知っていると
表現しやすくなります。



日常での使い方ではないので、
普段の生活でいきなりこんな言い方すると
「なんだそりゃ、どうしたんだお前」
となるかもしれませんが、
いざという時には知っていると役に立ってくれるでしょう。


彼岸について


彼岸とは、春分の日と秋分の日から
それぞれ前後3日を合わせた期間のことです。


たとえば春分の日が3/21なら
彼岸は3/18~3/24ということになりますし、
秋分の日が9/23なら9/20~9/26になります。


これは仏教に関することで、
多くの人にとって、
なじみがあるような、ないような
といったところでしょうけれども、

おばあちゃんが
「今日はお彼岸ですよ」
といった感じでお墓参りをやったりしますね。


あまりくわしく話すと、ことわざでなく
仏教や行事の話になってしまうのですが、
お盆と同様、ご先祖様や極楽浄土と関係の深いものです。



春分の日と秋分の日は知っているかもしれませんが
これらは昼と夜の時間がほぼ同じになる日です。


「ほぼ同じ」で、じつは完全に
おなじ時間というわけではないのですが
まあ大体いっしょになります。


これもくわしく話すと
「春分の日とは天の赤道と黄道の
ふたつある交点のうち太陽が南側から通る日である」

みたいなわけが分からない感じになって
ことわざではなく理科とか天文学のお話になってしまうので
さっきの通り
「昼と夜の長さがいっしょになる日」
ぐらいで覚えておけばいいと思います。


なお、春分の日と秋分の日は年によって変わりますが、
3/20~3/21と9/22~9/23になることが多いです。



まあ夏は昼が長いけど冬は短いのは、
10年ぐらい生きていれば、
なんとなく知ることになりますので
春分の日と秋分の日がその中間になるのは
分かるんじゃないかと思います。


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でもほんとかな?


ということで、
暑さ寒さも彼岸まで(あつささむさもひがんまで)
の意味と、それがいつなのかについては
さきほどの通りなのですが、

そのつぎに出てきそうな疑問は
「そんな都合よくあたたかくなったり
すずしくなったりするものかな」

というもの。


これはもちろん人によって感じ方が
違ってくるのではありますが、

それでもやはり、3月って、
2月の厳しい寒さが残っていて、
春一番みたいに天候が荒れたりするのに対し、

4月はおだやかな気候の日が多くなるので、
3月後半、ちょうど彼岸ぐらいから
あたたかくなることが多いように思います。



秋もまた、9月は残暑といって
まだまだ暑い日が続くのに対し、
10月は暑いイメージはないので、
これもやはり彼岸のころが境目のように感じます。



まあ同じ日本でも
北海道と沖縄ではぜんぜん違いますし、
近ごろは温暖化で気候もかわりつつあるようですが、

それでも暑さ寒さも彼岸までというのは、
20年ぐらい生きていれば、
あるていど実感を持てるんじゃないでしょうか。


こんな使い方も


この暑さ寒さも彼岸までは
意味としてはさきほど述べた通りですが、
そこから、

つらいことや大変なことも
ある時期をすぎれば終わっていく

という意味での使い方をされることもあります。
それまでがんばりましょう、ということですね。


「インフルエンザでひざがガクガクしてしんどいよう」
暑さ寒さも彼岸までと言うし、
いずれは楽になっていくから、それまでのがまんだよ



生きていれば大変なことはありますが、
ほとんどの場合、いつか終るものですからね。

そういう意味では、季節が変われば
涼しくなったり暖かくなったりするのと
同じ意味での使い方はできそうです。


注意する点として、こういった使い方は
辞書に載っていたわけではないので、
ほんとうに正しい使い方か?
という根拠にとぼしいということがあります。

実生活で使ったとしても
大した問題ではないでしょうけれども、
試験の例文問題とか、大勢の前のあいさつなどでは
本来の「あついさむい」の意味で使ったほうがいいでしょう。



なぜ「も」なのか


つぎに、ささやかな問題かもしれませんが、
なぜ「暑さ寒さ彼岸まで」と
「も」になっているのかについて。

「も」という助詞は
「あれも欲しい、これも欲しい」
のように、何かとセットになって使われます。



それならひょっとして暑さと寒さのほかにも
なにか彼岸までで終わるものがあるの?
と気になるかもしれません。

でもこれは単純に
「暑さも寒さも彼岸まで」と考えるといいと思います。

暑さも彼岸までで終わるし、
同じように寒さも終わりますよ、

という意味で、最初の「も」が略された
と考えると自然ですね。


類語について


似ていることわざですが、
すずしくなるあたたかくなるという
本来の意味では、これといってないようです。


まあそんなしょっちゅう使う言葉でもないので、
類語なんて必要ないのかもしれません。


ただ、さっき述べた、
「つらいこともいつかは終る」
という場面では


あたりが使えそうです。

ただこれらはまったく同じではなく、
意味合いに多少の違いがありますので、
くわしくはそれぞれの記事をご覧いただければと思います。


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