どんぐりの背比べの意味と類語の五十歩百歩との違いなど

雰囲気はかわいいですが、
この言葉、あんまり
いい意味ではありません。

どんぐりの背比べ
(どんぐりのせいくらべ)



しかも間違った場面で
うっかり使いそうになります。


文字だけ見ると、
おとぎ話みたいで楽しげですが、
ちゃんと意味を
確認したほうがいいでしょう。




こんな言葉なんです


どんぐりの背比べ
(どんぐりのせいくらべ)とは、
どれもこれも大したことなくて、
ぬきんでてすぐれたものがない、
似たり寄ったりだ
、という意味です。

漢字で書くと
団栗の背比べですね。
また、「背競べ」と書くこともあります。



「次の試合は、若い選手を
出してみようじゃないか!
期待の新人はだれだ?」

「監督、どんぐりの背比べです」

「なにい」

これだと、今年の新人は
みんな大したことなく、
誰でも似たようなものだ、
という意味です。


これはどんぐりが
たくさん並んでいるところを
想像すれば分かりやすいですね。


よくみると大きさに
ちょっとは違いがあるものの
けっきょくはドングリなので、
小さいことには変わりません。


スイカやメロンがどかーんと来たら、
まとめて蹴散らされて
みんなわらわらと逃げ出しそう。
たよりない。

ここから、どれも似たり寄ったりで、
大したことない、という意味になります。


「今度のテストで、
優秀だったのは誰だ?」

「ええと、順に
49点、47点、51点・・・」

どんぐりの背比べじゃないか

こんな使い方もできますね。


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どんぐりとは


どんぐりとは
カシ・ナラ・カシワなどの実の総称で
かたい皮におおわれているものです。


まあ知っていますか。


でもなんか字で書くと
よけい分かりにくいですね。
動画で見たほうがいいかも。




だいたいこのような感じで
リスなどの小さい動物と
セットになって出てきます。
どんぐりころころの歌もそうですね。
あれはドジョウですけど。


おもちゃ屋さんとか
どうぶつ病院とかの名前につけられたり、
秋のリスがせっせと集めたりするので

なんとなく可愛いような
どちらかというと
いいイメージがありますが、

この慣用句にかぎっては
よくないことになっている
ので
ちょっと間違えそうになりますね。


気をつけることは?


団栗の背比べという慣用句で
気をつけるところは
基本的によくない意味なので、
言われた相手はおそらく気分を悪くすることです。



試合で代表選手を選ぶとき、
みんな実力があって
だれが出ても大丈夫そうだからといって

「どんぐりの背比べだから、
だれが出ても勝てそうだ」
なんて使い方をすると

「こいつらはみんな大したことないけど
相手はもっと弱いから大丈夫」
といったニュアンスになってしまいます。

言いたいことは伝わるでしょうけど、
言われたほうは嫌な思いをするでしょうね…。



よい意味での使い方、つまり
みんな優れていて選びにくい
という場合、

いずれ菖蒲か杜若
(いずれあやめかかきつばた)

という慣用句を使えばいいでしょう。


類語について


どんぐりの背比べの類語としては
五十歩百歩(ごじっぽひゃっぽ)
があげられます。


辞書に載っている意味は
ほぼ同じですね。


違いがあるとすれば、
どんぐりの背比べは、すぐれたものがない
(とくべつ劣っているともかぎらない)
という意味なのに対し、

五十歩百歩は、
五十歩にげたのも百歩にげたのも
おなじようにダメだ、ということで、
より積極的に「ダメ」という意味が
強調されるように思います。



また前者は、たくさんのどんぐりが
ごろごろとあって、
「どれもにたりよったり」
なので、
大勢の中から選んでいる時にふさわしく

後者は五十歩の人と百歩の人を
比べているので
「あんたとわしは似たようなもん」
みたいに、
一対一での比較に向いているでしょう。


五十歩百歩については
こちらでくわしく述べています。
五十歩百歩(ごじっぽひゃっぽ)の意味は由来まで知ると分かりやすい


他に類語としては

一寸法師の背比べ(いっすんぼうしのせいくらべ)
大同小異(だいどうしょうい)
目糞鼻糞を笑う(めくそはなくそをわらう)

があります。


反対語は?


反対の意味の言葉としては
さっき述べた

いずれ菖蒲か杜若
(いずれあやめかかきつばた)


というのが
みんな優れていてすばらしい
という意味になので使いやすいです。


あと、よく使われる表現として
甲乙つけがたい(こうおつつけがたい)

というのもありますが、
これは「甲」と「乙」の比較になるので
ふたつのものから選ぶときにふさわしくなり
どちらかというと
「五十歩百歩」の反対語となりそうです。


また、
はっきりと違いがあるよ!
という意味での反対語なら

一目瞭然(いちもくりょうぜん)
というのがあります。

ひとめ見ただけで違いが分かる、
ということですね。


まとめ


ということで、
どんぐりの背比べ
(どんぐりのせいくらべ)は

どれも似たようなもので
すぐれたものがない、

という意味、

にている慣用句は
五十歩百歩(ごじっぽひゃっぽ)


反対に、すぐれている者同士なら
いずれ菖蒲か杜若(いずれあやめかかきつばた)
甲乙つけがたい(こうおつつけがたい)

がある。

というのがまとめになります。


どんぐりって子供のころ
山とかでよく見つけて
あつめたり遊んだりしたので
個人的には楽しい思い出があります。

それをこんなろくでもない
意味に使うなんて、
じつにけしからん慣用句ですが、
そうは言いながらも
けっこう使う機会ありますよね。



うっかりした使い方をすると
みんなのヒンシュクを買うリスクもあるので、
それだけに、ちゃんと意味を
知っておくのは大切だと思います。

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