他力本願(たりきほんがん)とはどんな意味か知らないと叱られるかも?

言葉の意味というものは、
年月とともに変わることがありますが
これもそういったものの
ひとつと言えるでしょう。

他力本願(たりきほんがん)


他力本願


あまりよくない態度として
使われますが、
じつは本来の意味はまったく違います。

このことを知らないと
思わぬところからお叱りを受けるハメに
なるかもしれません。

なので、
日常生活で使うかどうかは別にしても
他力本願とはどういう意味なのか
知っておいたほうがいいでしょう。


もともとは誤用だった?


このブログは、基本的に
言葉の本来の意味を大切にしていきたい
と思っていますが

今回は新しくできたほうの使い方から
紹介させていただきます。


いっぱんに、
他力本願(たりきほんがん)とは、
ものごとを自分ではやらずに、
他人をあてにすること、

という意味で使われます。

人にばかりやらせる


「あいつは何にもやらない、
他力本願でやっている人だなあ」

といった使い方です。

すぐに人に頼ってしまう人って
どこにもいますからね。
そういった人のことをあらわします。


また、まれに自分で
「私は他力本願でやってきたものですから」
と、謙遜して言う場合もあります。

この場合、
「いろいろな人に助けてもらってきました」
と、感謝の意味が
こもっていることになります。
こちらは良いことになりますね。


ただ、これらは
本来の使い方ではないのです。


おどろく

あえて最初に述べたのは
すでに辞書にものっていて
定着してしまっているからですが

もともと他力本願とは仏教用語で、
次で述べるような意味があります。


じつはこういう言葉


本来「他力」とは「他人」ではなく
阿弥陀如来(あみだにょらい)の力をかりること。

阿弥陀如来とは仏さまの先生のような
とてもありがたい存在です。

「本願」とは人々が仏となろうとする願い、
仏教においては大事な教えで
安易に人の力をかりるような意味とは
まったく違うことになります。



お坊さん


ちょっとむつかしい話ですが、
ようは、他力本願とは
本来ダメな人をあらわすものではない

ということですね。

これを知らずに
「人まかせ他人まかせ」
という言い方ばかりしていると

仏教にたずさわっている方々に
失礼なことになってしまいます。


じっさいに、公の場で
「他力本願」をダメな意味で使ってしまい
抗議を受けたという話もあるので
使い方には注意がいりますね。

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類語はあるのか


まあ、みんな使っていますし
辞書にものっているくらいなので、
問題ないとは思いますが

どうも、こういった話を聞くと
「他力本願とはダメな人」
という意味で使いにくくなります。



使いにくい


それでは同じような言葉が
あるのかというと、慣用句としては、
これといったものはありません。


このことが
「他力本願とは人まかせ」というのが
世間に広まった理由のひとつだと思いますが

なにも慣用句をつかわずとも
人まかせ
他人まかせ
他人依存

といった言い方ができます。

また、仕事を人にまるごと
まかせるという意味では
丸投げ
という言い方もあります。


使う使わないは
もちろん個人の考え方次第ですが
すくなくとも大勢の前で

「私は他力本願の人が大っ嫌いなので
なんでも自分でやっていきます」

なんて言い方はしないほうがよさそうですね。

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