馬子にも衣装の意味、まちがった使い方をされるとイヤな気分になります

僕はむかし、この言葉を漫画で知りましたが
そういう機会がなければ
あまり知ることがなさそうです。

馬子にも衣装(まごにもいしょう)

馬子にも衣装


この言葉、けっこう間違えられているようですね。
そのため、誤解やトラブルがおこることもあります。
しかも、間違えられると、
ちょっと嫌な気分になってしまいます。


今回はそんな、要注意の言葉、
馬子にも衣装の意味と使い方についてです。


まずは基本から


馬子にも衣装(まごにもいしょう)とは、
どんな人でも身なりをととのえれば
立派に見える、という意味です。

「馬子にも衣裳」とも書きます。

馬子にも衣裳

「馬子」とは、
馬に人や荷物をのせて運ぶことを
仕事にしていた人のことです。


もちろん今は馬でものを運ぶ
なんてことはしませんので
これは、むかしにあった仕事ですね。


それで、この「馬子」という職業は
当時、身分の低い人や、
下働きの人がやる仕事とされていました。

もちろん今では身分や階級などの
上下はありませんが
むかしはそういうのがあったのですね。


それで、馬子にも衣装とは
そういった身分の低い人でも
ちゃんとしたものを着ると立派に見える、

つまり、
「あなたが立派に見えるのは
着ているものがいいからだよ」


という、あまり良くない意味の使い方を
されることが多いです。


なので、これは
相手につかうと大変失礼なのはもちろん、
さらに馬に関係した仕事をしている人にも
失礼になる
かもしれないという
とんでもない言葉です。


失礼


それだけなら単に使わなければすむ話なのですが
この「馬子にも衣装」、
次のような意味で覚えている人がいるため、
それがややこしかったり
多くの誤解のもとになっています。


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孫にも衣装は間違い


「馬子にも衣装」を「孫にも衣装」と
間違えて覚えている人が
けっこうたくさんいるのです。



しかもその場合、意味も
「孫にはどんな衣装を着せてもかわいい」
という、まったく違うものとして
認識されています。

まあ、これ自体は分かる話ではあります。
「まご」といえば、ふつうは「孫」ですからね。
「馬子」なんて今時使うことはありませんから。


しかし、こんな覚え方をしていると
とんでもないことになります。


たとえば、
どんなものを着ても似合う素敵な人、
という意味で「まごにも衣装ですね!」
なんて使い方をしてしまった場合。

「まご」を「孫」と思っている人は
けっこう当たり前に
こんな使い方をしているようですが

これはつまり
「あなたがよく見えるのは
着ているものがいいからにすぎません」
と言っていることになります。


ホメているつもりが
ひどいことを言っています。

しかも言った本人はまったく悪気がありません。


この間違った意味の使い方は
わりとご高齢の人でもされているようなので
姑さんに言われて嫁が泣く、
なんて悲劇も起こっています。


そのほかに、結婚式のあいさつなんかで

「新郎新婦はとても素敵ですね、
馬子にも衣装といいますが、私は感動しました」
なんていってしまうと、周りの人は

「あちゃー」
「あー」
「言っちゃったよ…」

となります。


あちゃー

このようなことにならないためにも
馬子にも衣装とは、ほめる意味の言葉ではない
ということをしっかり覚えておく必要があります。


だれかに言われた場合


まちがった使い方をしないためには
自分が気をつければそれでいいのですが、
やっかいなのは、だれかに
「馬子にも衣装」と言われた場合です。



これの何がこまるって、
ホメているつもりで間違えて言われたのか、
あるいは本当の意味を知っていて
悪口や皮肉を言われたのか分かりにくいことです。


悩む

なのであとから
「どういうことだったんだろう…」
と悩みがちですが、


間違えた使い方をされた場合
相手が無知

悪口や皮肉の場合、
相手が失礼な人


ということなので
どちらの場合でもあなたは悪くないですから
あまり気にしないほうがいいです。


後者の場合、正直気分はよくないのですが、
これは、こんな使い方するほうが
間違っているという話です。


「馬子にも衣装」は
1.あいてにではなく自分に対して謙遜の意味で使う
2.親しい人を、ちょっとからかう


といったものが
正しい使い方といえます。


からかう


もちろん2.は使いどころ間違えると
ケンカになりますので、その点も注意ですね。

なので
親しい人以外には使わない。
誰かに言われても、なるべく気にしない

というようにするといいでしょう。


類語としては
馬子にも衣装髪形(まごにもいしょうかみかたち)

反対の意味では
公家にも襤褸(くげにもつづれ)
というものがあります。

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