破天荒(はてんこう)とはどんな意味か知っていないと困ること

よく使われているものの
ちょっと違っているな~、
という使い方をされているのが

破天荒


じつは正しい意味で使っている人は
本当に少ないです。

まあ、間違えたとしても
ほとんどのケースで問題ないのですが
場合によってはおかしなことになります。

なので、やはりちゃんとした意味を
知っておいたほうがいいでしょう。


こういう言葉なのです


破天荒とは(はてんこう)、
今まで誰もできなかったことを
成し遂げる、という意味です。



たとえば○○高校から
有名大学に進学する人は
今までいなかったが
今年はじめて合格者がでた、

とか

スポーツでそれまで日本人が
世界で活躍することはなかったが
はじめてランキング上位になった、

などですね。


破天荒とは故事成語のひとつで
中国・宋代の書物である
『北夢瑣言(ほくむさげん)』
からきてます。


ごく短く言えば、

当時、中国の荊州(けいしゅう)という地から
100年以上も試験の合格者がまったくでなかった。

しかし、あるとき、
劉蛻(りゅうぜい)という人物が
この地から試験を受けてついに合格した。

という話です。


なんとなく
破天荒という文字の印象からだと

天を破り荒れ狂う、
みたいなイメージを連想しそうですが
そうではなく、

「天荒」とは未開の地のこと、
ここでは荊州は試験に合格するような
人材がいない土地という意味、

そしてそれを
合格者がでることによって
打ち破ったので「破天荒」、

ということになります。


ということで、破天荒とは
たいへん立派なことをあらわす言葉
なのですが

最初にのべたように
このような意味の使い方は
あまりされていません。

よくされている誤解、誤用は
つぎで述べるものです。

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こんな使い方をされています


破天荒とはどんな意味か
と聞かれると
おそらく多くの人は

「豪快で大胆、型破りで
それまでの常識をくつがえすこと」
と答えるでしょう。

2008年の世論調査でも
6割以上の人が
こういった解釈をしているとのこと。



しかし、この言葉には
「豪快」とか「大胆」という
意味はありません。


もちろん型破りでもありません
なんせ試験を受けて合格したわけですから。


では、なぜこのような
誤解、誤用が広まったのかというと
やはり言葉の雰囲気からでしょうね。

さきほどもちょっと言いましたが
「破天荒」という感じだと、どうしても
あらぶれたイメージを連想しがちです。


なんか、
荒れ狂った竜が天からやってきて
すべてを破壊する、みたいな。


それまでの常識をうちやぶるという点では
まちがってはいないかもしれませんが、
意味は違いますよね。


まあ、6割以上の人がそう思っていて
言葉の印象もそうならば
べつにいいんじゃないの
という気がするかもしれませんが、

破天荒の意味をまちがえることには
つぎのような問題もあります。


悪い意味の言葉になってしまう


現在よく誤解されている
「破天荒」の使い方は
常識やぶりという意味が強調されています。


髭をはやした巨体の男が
豪快に仕事をすすめていくが
まったくマニュアルは守らない。

「ぜんぜん言うこと聞かねえよ、
あのおっさん」
「まあ、破天荒な人ですよ」

みたいな感じですね。


しかし、破天荒とは
常識を破るという意味は
あるかもしれませんが

いうことを聞かないとか
自分勝手なことではないです。

試験を合格した話なのですから。


このような使い方だと
破天荒とはルールを守らないこまった人、
みたいな意味になってしまいます。

しかし、本来は
前人未到の境地を切り開く
未開の地を開拓する

といった、見事な行いにたいして
使われる言葉です。


スポーツの新記録を達成したとか
それまで誰もできなかった新事業を行った
といったことをあらわします。

ここを取り違えて、
それまでのやり方、慣習を無視する
みたいな意味でばかり使っていると

注意しているつもりなのに
ホメてしまっている、

なんてことにもなりかねません。

逆に本来の意味を知らない人に
ホメるつもりで
「破天荒ですね」といったら
相手がおこりだした、


なんてこともありえますので
これらの点には注意しておく必要がありますね。


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