触らぬ神に祟りなしの意味、なぜ神に触っちゃだめなのか

これは大切といえばそうですが、
一歩まちがえると、ちょっと情けない使い方にもなります。

触らぬ神に祟りなし(さわらぬかみにたたりなし)


家庭でも学校や職場でも、こういう場面はよくありますね。

ときには必要なことであり、
反対にこのことわざを使わないほうがいい時もあります。


また、神さまが祟る、
というのはどういうことかについても述べていきます。





どんなことわざか


触らぬ神に祟りなしの意味は
(さわらぬかみにたたりなし)
よけいなことに関わらなければ
ひどい目にあうこともないというものです。



「今日は野球で応援しているチームが負けたから
お父さんの機嫌がわるいよ」
「そうなの? 宿題聞こうと思ったけど
触らぬ神に祟りなしだから、やめておこう」

こういったのが例ですね。


こんな時に、へたに宿題を聞きにいくと
「なんだ、こんな問題も分からないのか!」
みたいに理不尽に怒られたりします。

分からないから勉強してんだよ!
しかし機嫌がわるい人にはこんな正論は通じません。

野球の勝ち負けなんてこっちではどうしようもないですし、
時間がたってお父さんの機嫌がなおるまで待つのが一番、
それまでは関わらないようにする、
これが触らぬ神に祟りなしの意味ですね。


ここでの神さまは「えらい人」と考えるといいでしょう。
お父さんのほかには学校の先生、会社の部長、お局様、奥様、旦那様…、とにかく
「その組織、もしくは自分にとって力がある人」が
このことわざの対象になります。


まあ、ほんとうに偉い人は
「機嫌が悪い」なんて理由で人を怒ったりはしないでしょうけどね。
でもそこは人間ですから、やむをえないときもあるでしょう。


スポンサーリンク


神さまに触ってはいけない? 祟り(たたり)とは?


触らぬ神に祟りなしの「触る」とは、かかわりを持つこと、
でも神さまってありがたい存在なのでは?
どうしてかかわりを持ってはいけないのか?



神さまというのはもちろんありがたい存在ですが、
こちらの行いが悪いと、場合によってはこわい存在になります。
「罰が当たる」なんて言うくらいですから。


たとえば山に行って、ゴミをまき散らして帰ると
山の神さまの怒りに触れて土砂崩れなどの祟りが起きる。

神さまが宿っている立派な木を切って家を建てたら、
そこに住んでいる人が病気になったなど、
物語なんかでもこういうのがありますね。


山の例では、祟り以前に
「ちゃんとゴミは持って帰ろうね!」
という話になるでしょうけど、

これがたとえば
「この山には荒ぶる神がいて、誰かくると大嵐を起こして大変な目にあう」
とかだったら、
はじめからそんな山に行かなければいいとなるわけで、
これがまさに触らぬ神に祟りなしの意味でしょう。



気をつけること


触らぬ神に祟りなしの意味というか
使い方で気をつける点があるとすれば、
ことなかれ主義といいますか、
何にでも消極的になってしまいやすいということですね。



先の例のように
かかわってもムダに苦労するようなことなら
触らぬ神に祟りなしでいいのですが、
必要なこと、やらないといけないことまで
めんどうだから、このことわざを理由にやらなくなる可能性があります。


学校、職場の大きな問題であるいじめなんかが
いちばん分かりやすい例で、
ごぞんじのように、いじめというのは
周り人の対応で防ぐことができたり、ぎゃくに問題が大きくなるもの。

これはかなり難しい問題ですが、でもとりあえず、
いじめがあったら、止めてあげたいのが人情じゃないですか。
ふつうはそう思いますよね。


ただ、これもごぞんじのように
止めるのための行動はたいへんな勇気がいるもの。

だから
「なんとかしてあげたい、でもどうしよう」
という具合に気持ちがゆれ動きやすいわけですが、
こんな時に
「触らぬ神に祟りなしだ」
なんて言われたら、やめたくなるかもしれません。

これではこのことわざの意味が悪いほうに働いています。

こんな場合は
義を見てせざるは勇無きなりということわざを言って
がんばっていくのがいいのでしょう。


あ、でもがんばった結果こっちの立場が悪くなったり
そもそも自分がいじめの対象になって
しかも誰も助けてくれないような状況になったら

「あんなとこ行ってもロクなことがない
触らぬ神に祟りなし、やめた」

といって、学校に行くのをやめたり転職するのは
いざとなったら、やってもいいと思いますよ。


実際にはむすかしいですが


ということで、
触らぬ神に祟りなし(さわらぬかみにたたりなし)は、
よけいなことに関わらないほうがいいというものです。


このことわざは、その意味よりも
使いどころがむつかしいと思います。


さきほどの例は、極端なケースなので
分かりやすいかと思いますが、じっさいには

「友達同士がどっちのアイドルがかわいいかで
意見が合わなくてケンカしている。
正直どうでもいいが、一応止めに入べきか?」


みたいな、どうしたらいいのか分からない場面も多いですからね。


ただ、こんなときでも、触らぬ神に祟りなしの意味は
ひとつの考え方として参考なります。

それにもしあなたが、関係ないものごとについ首をつっこんで
いつも他人の騒動に巻き込まれて困る
という性格であれば、このことわざは役に立ってくれることでしょう。


同じ意味のことわざ、類語は
触らぬ神に罰あたらぬ(さわらぬかみにばちあたらぬ)
触らぬ蜂は刺さぬ(さわらぬはちはささぬ)



反対の意味のことわざですが、

よけいなことをして問題を起こす、というものは
藪蛇(やぶへび)、藪をつついて蛇を出す(やぶをつついてへびをだす)
寝た子を起こす(寝た子を起こす)


やるべきことはやらはいといけない、という意味では
義を見てせざるは勇無きなり(ぎをみてせざるはゆうなきなり)

というものがあります。
どのことわざを使うべきか? というのもむつかしいですね。

スポンサーリンク

特集記事!こちらも合わせてごらんください
おすすめ!⇒楽しくことわざなどの知恵を覚えるにはこれ
大丈夫?⇒誤用しやすいことわざや慣用句
ここぞという時に⇒苦しい時やいざという時に力になることば

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ