藪蛇(藪をつついて蛇を出す)とはなんのことか

たまに聞くけど、
ぱっと聞いて意味が分からない言葉

藪蛇
藪をつついて蛇を出す



わりと使う人もいますが、
考えて意味が分かる類の言葉ではないと思うので、
あらかじめ知っておいたほうがいいです。



それに、
よいことをしようとしたつもりが
なぜか怒られた

みたいな理不尽で残念な場面でも
これを使って多少は場を和ますこともできますので
まあ便利な言葉といっていいでしょう。



どんな意味の言葉か


藪をつついて蛇を出す(やぶをつついてへびをだす)とは、
よけいなことをやって災難を引き起こす、
ということです。


藪蛇(やぶへび)、ということもあり、
どちらも同じ意味で使われます。


藪(やぶ)は、草木が生えているしげみ、
草木が邪魔で中のようすは分かりません。

そのまま素通りすればいいものの
つついてみたら、こわい蛇が出てきた
ということですね。

わざわざ藪をつつく必要なんかどこにもないし、
何もしなければ蛇もじっとしていたのに
完全に自分から災難をおびき寄せる行為です。
このような様子を表す言葉です。



藪をつついて蛇を出す、といえば
まだ意味が分かる感じもしますが
藪蛇、だと何のことやらですね。

しかし、
実際には藪蛇という言い方のほうが
よく使われているように思います。


まあ、こちらのほうが言いやすいですし
実際に災難にあった直後は
「藪をつついて蛇を出す」なんて長い言葉は
あまり使う気になりにくいからでしょう。


ということで、
「これはやぶへびだったなあ」
といえば
「よけいなことをしてしまった」
という意味になります。


大体が、よくないことが起きて
ガッカリしているときに言う言葉なので
もし誰かが言ったとしても、その人に向かって

「え、なになに? どういう意味?」

なんて聞きまくると
相手は余計に疲れますし、
下手をするとイライラさせて怒られる、


つまりはこれも藪をつついて蛇を出す、
なんてことになりかねませんので
あらかじめ意味は知っておいたほうがいいですね。


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どのような使い方をするのか


よけいなこと、しなくてもいいことを
わざわざやって災難にあう意味ですから
たとえばイタズラをして叱られた
といった場面での使い方が分かりやすいでしょう。


「そんな、藪をつついて蛇を出すような
ことをするからひどい目にあうんだよ」
といった感じですね。


ただ、こういった、
イタズラをする→叱られる

ということは、いわば当たり前の結果ですから
そんな時にわざわざこのような
言い回しをすることはあんまりないです。


もちろんそのような使い方も
間違いでなはいですが、
それよりも実際によくある使い方は

よかれと思ってやったのに
かえって災難を引き起こす結果になった

という意味ですね。


たとえば、友達同士がケンカをしました。

それでお互いに納得がいかず
ケンカが終わったあとも
ずっとプンプンして機嫌が悪かったとします。

そこであなたが、なだめてあげようと
「まあまあ、相手にも相手の考えがあるんだし
ここは認めてあげて、機嫌なおせよ」

といった具合にいいましたが

「うるわいわ! お前もヤツの肩を持つのか? 
黙っとれ!」

みたいに怒られてしまいました。

やるせないことですね、
しかし、こういったことはよくあります。


この場合、ケンカをしたのは
友達同士であって、あなたは関係ありません。

なのでほっといてもよかったわけですが
よかれと思ってなだめようとしたら
とばっちりで怒鳴られたことになり

こういう場合に
「藪をつついて蛇を出すようなことしてしまった」
あるいは
「藪蛇だった」
といった使い方をします。


本来この言葉の意味は
よいと思ってやったことでも
単なるイタズラでやったことでも、とにかく、
よけいなことをした場合に使うものですが

先ほどの例のような、
自分は悪くないのにひどい目にあったときに

「そんな理不尽な!」
と一緒になって怒ってしまわず

「やぶへびだったなあ」
といって頭でもかいていると
大人っぽい雰囲気をだすことができますね。


「藪から蛇」はまちがい


それで、この言葉の誤用として
「藪から蛇」というのがあります。


これは間違いで、こんな言い方はなく、
おそらく藪から棒
混ざってしまった言い方です。


藪から棒は
いきなり予想もしないことが起きるようすで
藪をつついて蛇を出す(藪蛇)、とは
まったく違う意味の言葉
なので
気を付けましょう。

うっかり間違えても
おそらく相手には通じるとは思いますが
「まちがえているな」とは思われることでしょう。


藪蛇(藪をつついて蛇を出す)と
同じような意味のものは
寝た子を起こす
平地に波瀾を起こす


といったものがあります。

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