藪から棒の意味と状況とは、「藪から蛇」ではダメ?

突然、突拍子もないことを言いだす人って
あなたの周りにいませんか?

「今日から英会話を覚える!」
「野球がしたい」


身近にいるとなかなか面白いですが
少々つかれることもありますね。
そんな人にピッタリな言葉、

藪から棒


この慣用句の意を知っておくと
さりげなく使えて、便利です。



どういう意味か


藪から棒(やぶからぼう)とは
いきなり考えていもいないことが起こる、
もしくは、いきなり何かをやる、

という意味です。


藪(やぶ)とは、草木がしげっていている場所。

最近の都会、コンクリートジャングルでは
藪ってなかなかないかもしれませんが、
例えば山道を歩いている光景を
想像してみると分かりやすいです。

いい天気で、あたりは静か、
ピクニックにはもってこい、

遠くの小鳥のさえずりを聞きながら
のんびりと歩いていると
とつぜん道の脇の茂みから
だれかが棒をニューっと突き出してくる。



こんなことがあったら、それは驚きますよね。
これが「藪から棒」ということです。

ちょっとイラッとするかもしれません。
こういった目にあったときに使う言葉です。


使い方はこんな感じで


具体的にどういった
使い方をするかについてですが、

例えば普段から野球が好きでたまらない子が
「野球がしたい」といっても
それは当たり前のことです。
藪から棒という意味にはなりません。


しかし、普段は家で本を読んでばかりで
たまに将棋に夢中、
将来の夢は学者か昆虫博士といった子供が

いきなり「野球がしたい」といったら
急になんなんだ? という話です。


そんなとき
「藪から棒に何だ?」
といった使い方をします。


子供にかぎらず大人になっても
「留学したい」「おにぎり食べたい」
といったことを、連発する人がいると

脈絡ないという意味で
「藪から棒に言われても…」
ということができます。



ことわざや慣用句は
難しい言い回しのものも多いですが
「藪から棒に」は、
多くの人に馴染みのある言い方なので
慣れると自然に使っていくことができます。


また、突然何かを頼まなければいけないとき、
「藪から棒に申し訳ないのですが」
といった使い方をすることもあります。

この場合、
「突然のお願いで申し訳ないのですが」
といった意味になります。

こちらの使い方も、
知っておくと何かと便利です。


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「藪から蛇」ではダメなのか


「藪から棒」ではなく
「藪から蛇」という言い方を
耳にすることがあります。

これは「藪蛇(やぶへび)」という言葉があるので
そこからきているのだと思いますが
これは間違い。


確かに棒が出てくるよりは
蛇が出てくるほうが、
もっとびっくりしそうですが

藪蛇とは「藪をつついて蛇を出す」
よけいなことをして災難を引き起こす
という意味なので
藪から棒とはまったく使い方が違います。

そもそも「藪蛇」もしくは
「藪をつついて蛇を出す」であって

「藪から蛇」という言葉は
使う人がいるのである程度浸透しちゃってますが、
本来は存在しない言い方です。


ことわざや慣用句は
言葉の印象だけでつい自分流の解釈をしてしまいがちですが
ちゃんと意味が決まっているので注意が必要です。


同じ意味の慣用句としては

寝耳に水(ねみみにみず)
窓から槍(まどからやり)


といったものがあります。

窓から槍、はあんまり言いませんが
寝耳に水、はよく使われるので
合わせて覚えておくといいでしょう。

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