切磋琢磨とはどんな意味かちゃんと知れば好きな言葉になりそう

これは、好きな人ときらいな人が、
きれいに分かれそうな言葉です。

切磋琢磨(せっさたくま)


私はどっちかな・・・。

ただ、どちらにしても
大切なことには違いありませんので、
この慣用句の意味、
また由来などについてものべていきます。




こういう慣用句です


切磋琢磨(せっさたくま)とは、
がんばって学問を習得したり、
人格を良くしたりする、


また、これらを友人などと競ったり
はげましあったりしてやる、

という意味です。


日々努力する、がんばる
というニュアンスでの使い方が多いですね


たとえば会社の取引先に

「私たちは日々、
切磋琢磨してまいりますので、
なにとぞよろしくお願いしいたします」

と言えば、
「私たちは毎日がんばって、
より良い仕事をできるようにするので、
これからもよしくね」

ということになります。


ただ毎日の仕事をがんばってこなす、
というよりは、

自分自身の能力を上げて
前よりもいい仕事ができるようになる、

という意味になりますね。


あとは学校で

「私たちは全国大会で良い成績を
残せるように切磋琢磨しております

なんて使い方もできるでしょう。


まあ学校はもともと勉強したり
なにかの練習をするところなので、
そう考えると切磋琢磨するのは
当たりまえだろ、
という話なのかもしれませんが、

この言葉は
友人と競いあってがんばる
という意味も含まれている
ので、
あえてこの言葉を使うことによって

「ただなんとなくではなく、
もうみんな我こそはと
競争しながら頑張っていますよ!」


と、よりみんなで一生懸命、
日々努力している雰囲気が
伝わってきます。


もちろん本当は切磋琢磨なんて
言えるほど大したことは
していないのに、
かっこつけてこんなこと言っちゃうと

「口先だけのやつ」
になってしまうので、
そこは注意がいりますけどね。


漢字の意味について


この切磋琢磨は
慣用句としてもそうですが、
ひとつひとつの漢字も
ちょっとむつかしいですね。


「切」「磨」は
「切る」と「磨く」ですが、
あとのふたつはちょっと・・・。


ここでの意味は、それぞれ

「切」は骨を切って加工する
「磋」は象牙をみがく
「琢」は玉を打って形をととのえる
「磨」は石をみがく


というような意味で、
どれも形をよくしたり、
みがいて見た目をよくする
ということで、

ここから、自分自身をみがく
つまり成長したり技術や知識を向上させる

ということになるのですね。


漢字そのものは
それぞれ違いがあるものの、
慣用句としての意味は4文字とも
「向上させる」ということなので

つまりは切磋琢磨も
「向上させて、向上させて、
向上させて、向上させる」

と言ってもいいくらいです。


こう書くとすごいですね。
上昇志向のカタマリのような慣用句で、
とてもストイックに努力する
というような使い方ができます。


「増加」とか「停止」のように
ふたつ同じ意味の漢字がならぶ
熟語は、まあまあたくさん
ありますが、四字熟語で
4つとも同じなのは、なかなか見事です。


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由来について


この切磋琢磨(せっさたくま)は
『詩経(しきょう)』という
中国のふるい詩集が由来で、


ここに
「如切如磋 如琢如磨」
というのがあります。


分かりやすく書き下し文にすると

「切るが如く
磋く(みがく)が如く、
琢つ(うつ)が如く
磨ぐ(とぐ)が如く」
となります。

分かりやすくないですか。
さらに分かりやすくすると

「切るように、みがくように
うつように、とぐように」

となります。


これは細工された品物や、
それを作った人の技をあらわしています。

そしてこの言葉は
武公(ぶこう)という人物を
たたえるときに使われたもので、

ここから切磋琢磨は
学問や人格を向上させる
という意味になったのが由来です。



武公は衛(えい)という
むかしの中国にあった国を
治めていた人物で
生涯のあいだ、自分自身を
向上させることを続けていました。


そのため、みがき抜かれた工芸品に
たとえられたのですね。


「切磋琢磨」のように
漢字がずらずらーと並んだ慣用句は
たとえ意味が分からなくても

「中国由来の言葉?」
と勝手に思ってしまいますが
この言葉に関しては、そのとおりでした。


注意するところ


切磋琢磨という慣用句は
目上の人に使うときに注意がいります。


たとえば上司や取引先に
「お互いに切磋琢磨していきたく存じます」
なんていってしまうと、

丁寧にあいさつしているつもりでも
意味としては
「あなたと私で競いあっていきましょう」
となってしまいます。


部下とかに
こんなこと言われたら
「なんと生意気なやつ」
となって、以後どんなことになるか
分かったものではありません。


「わしとお前は
切磋琢磨する仲らしいからな。
これぐらいのことは
出来るんだろう? ほれ」

みたいに無茶な仕事やらされたりとか。
プギャー腹立つ!

でもこれはこちらの言葉の使い方が
間違っていたのが原因なので、
ちょっと文句も言いにくいですね。


上司にあいさつをするなら、
「ご指導のほど、よろしくお願いします」

取引先なら
「お引き立てくださいますよう
お願い申し上げます」


といった言葉がふさわしいでしょう。


また切磋琢磨を使うなら

「私たちはこれからも
切磋琢磨してまいりますので、
よろしくお願いします」


と言えば、

「私と同僚は競い合って
あなたのお役に立てるよう
成長していくので
よろしくお願いします」

という意味になるので、
一応使えるかと思います。


また、この言葉は意味に
「競い合ったり励まし合ったり」
とあるので、
ひとりでがんばるよりも、
仲間とともにやる時に使うことが多いです。


クラブ活動などで
「この一年間、部員一同
切磋琢磨してきました」

という感じですね。


ひとりで黙々と練習するときに
「たとえひとりでも日々、切磋琢磨する」

という使い方も、
間違いとまではいえない
のかもしれませんが

人によっては
「その使い方、おかしいのでは?」
と思われるかもしれない
ので、
注意したほうがいいでしょう。


好きか嫌いはあるかもしれませんが


この切磋琢磨という慣用句は
向上心や上昇志向の強い人なら

「おっしゃー」
となるので、好きな言葉に
なると思います。

いっぼうで、なんだか
努力を押しつけられるようで、
苦手に感じる人もいると思います。

ちょっと暑苦しいですしね。


最近は、
「努力して競争して勝つ」
だけでなく、
「自分らしく生きる」
というのが大切にされてきているので、

この言葉も
いささか時代に合わないのでは?
と感じるかもしれません。


ただ、この言葉に
苦手意識があるのは、
おそらく先生とか上司に
努力を押しつけられて
やりたくもないことを
やらされたからじゃないかもと思います。



切磋琢磨というのは、
別にやりたくないこと嫌々やる
という意味ではないので、
「楽しい生活を実現するために
切磋琢磨する」
という表現だってできるはず。



実際に望み通りの生活をするなら
よっぽど幸運つづきの人生か、
超天才的な才能でもないかぎり、
なにかしら成長する必要はありますものね。


そのためや、大切な仲間のために
「切磋琢磨する」のだったら
とくに嫌なことはないと思います。


そうやって考えると、
この言葉も、人や時代に関係なく
良いことと考えられますね。


こういう「がんばる系」の
ことわざや慣用句は
ちょっと苦手だったのですが、

このように考えると
ようは自分のためとなるので、
好きな言葉になってきそうです。


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