石の上にも三年はよい意味、だけど仕事で使うには注意も必要
以前はよく言われており、
最近でも仕事などでは依然として
よく使われることわざに
石の上にも三年
(いしのうえにもさんねん)
というものがあります。
このことわざ、
とても大事なことを言っていますが
その一方で、少し意味が
誇張されすぎている印象もあります。
大事な決断のときに
まちがってしまわないようにも
石の上にも三年とは
もともと、どういうことなのか
知っておくといいでしょう。
どんなことわざ?
石の上にも三年とは
忍耐強く頑張っていれば、
いつかは報われていく、という意味です。
石の上に座ると最初は冷たいですが、
ずっと座りつづけると、自分の体温であたたまり
そのうち石そのものがあたたかく感じるようになる、
ということですね。
ここでの三年とは厳密に3年というよりも、
「長い間」という意味です。
なので、もっと短い期間のできごとでも、
反対に3年をこえるような場合でも、
とにかく「長い」と感じる場合に
使えることになります。
世の中には天才的に物覚えが早かったり
最初から優れている人もいますが、
そういった人はごく少数で、
おおくの人は、長い年月をかけて
いろいろな物事を覚えていきます。
スポーツ選手、音楽家など、
プロになるような人は、
それこそ子供のころから何十年と
やっていますからね。
仕事でも、一人前になるには
何年もかかるのが普通です。
それで、一度覚えてしまうと
それほどでもないのですが、
それまでは慣れないことをするので
けっこう大変なものです。
そんなとき「石の上にも三年」
の意味を思い出すと
ツラい時期をのりこえるための
励みになることでしょう。
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3年という意味で使われることもありますが
それで、この石の上にも三年ということわざの
「三年」とは、さきほどのべた通り
長い期間という意味なのですが、
言葉通り、3年ということで使われることもあります。
多いのが、仕事の話、
とくに転職にかんすることですね。
「石の上にも三年というから
とにかく3年は今の仕事をやめずに
がんばりなさい」
これは、おそらく一度は耳にすることと思います。
たしかに職歴というものは
3年がひとつの目安になりますし、
それより短い期間で仕事を辞めると
「この人は長続きしない性格」
という印象をもたれることがあります。
そういった点では
ひとつの仕事を3年間つづけるというのは
意味があります。
また、ある程度仕事になれる時期も
3年ぐらいたってからのことが多いです。
最初の1年2年って
覚えるだけで精一杯ですからね。
仕事の話がピンとこない人でも
学校で3年生になると慣れてくることを
考えると分かりやすいと思います。
そういった話から
「石の上にも三年」ということわざが
3年という期間をさす意味になったのも
もっともな話ではありますが、
ただ、最近は、初めて入った会社で
定年まで働くというのは珍しくなってきており、
ひとつの場所で長く働くことは
以前ほどには重要ではなくなっています。
また、技術の移り変わりがはげしい分野、
たとえばIT関係などでは
一生懸命おぼえた仕事内容が
3年たつとすでに時代遅れ
なんとこともありえます。
それに、あまりにも大変だったり
ストレスの多い職場で無理につづけようとして
体調をくずしたりすると元も子もありません。
これらは極端な例かもしれませんが、
なんでもかんでも「石の上にも三年」と
3年つづければ、それで良い
というものでもないでしょう。
短い期間でも十分ということもありますし
反対に、3年より長くつづけないと
いけないこともあるはずです。
なので、「石の上にも三年」ということわざも
わけも分からず続ける、ということではなく
自分が「ここまでは頑張る」と思った期間は
やっていくという意味で使うといいでしょう。
それでもこのことわざは大事
いろいろと書きましたが、それでも、
ひとつの物事をつづけていくというのは
とても大事なことです。
カンフー映画などで主人公の師匠が
「毎日この練習を繰り返せ!」
みたいな感じでえんえんと同じことをやらせて
うんざりするのだけど
ある時、その練習の意味が分かるようになって
そのとたん強くなる、
といったことがありますが
これは何にでも通ずることですね。
「継続は力なり」ともいいますし
地味で大変なことばかり
やらなければいけない時期もあって、
そういう時ってツマラナイものですが、
それが必要なことなら、
石の上にも三年ということわざを思い出しながら、
いつかあらわれる成果のために
がんばっていくといいでしょう。
にた意味のものには
茨(いばら)の中にも三年の辛抱
火の中にも三年
というものがあります。
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