水と油の関係とはどんな意味かとこの慣用句を使うメリット

あんまりこの言葉を使いたくはないものですが、
時にはあります。人間ですから。

水と油(みずとあぶら)


分かりやすい慣用句だとは思いますが
意味をとりちがえやすくもあるので
おかしな使い方にならないように注意がいります。




こういう意味です


水と油(みずとあぶら)とは
性格が合わずに仲が悪い、という意味です。



犬代さん「猿吉くんは遊んでばかりでダメだ」
猿吉くん「犬代さんは勉強ばかりして面白くない」

こんな感じで、性格や考え方が違って
どうも合わないということですね。



部活でも

犬代さん「猿吉くんはちゃんと練習しない」
猿吉くん「犬代さんはマジメすぎていやだ」

なんてことがあります。
これも、水と油といえます。
こんな人たちが同じクラブにいると、お互い大変ですね。


また、大人になっても

犬代さん「猿吉くんは仕事で楽ばかりしようとしてダメだ」
猿吉くん「犬代さんはただ頑張るだけで要領が悪い」

ということもあります。
仕事までいっしょにやっとんのかい。


ともかく、このようなことが
水と油の意味です。



水の中に油を入れても、
混ざらずにぷかっと浮かびますし、
なにかで手についた油は、
水で洗っても弾いてしまって落とせません。

こういったところから、
水と油で反発しあう、というのは
意味として分かりやすいですね。

ただし、続きで述べる点には注意がいります。


スポンサーリンク


気をつけることは


この慣用句の意味で注意する点として、
単に性質が違うという意味では使えない、
というのがあります。



鶴子さんは華やかで人柄もよい人気者、
亀吉くんは静かで縁の下の力持ち、
ふたりとも素晴らしいよ!

これだと、
ふたりは特に仲が悪いわけではないので、
水と油の意味としてはふさわしくないです。



もっとひどい例だと

鶴子さんと亀吉くんは性格がまるで違うけど、
お互いの欠点を補え合えて相性が良くて仲もいい。
これぞ水と油だ。

なにが「これぞ」なものですか。
これではまるきり反対の意味です。


性格がまるで違う人同士というのは、
行動が合わずに仲が悪いか、
お互い尊敬しあって仲が良くなるか、
どちらかになりやすいですが、

「水と油」というのは、
仲が悪い時に使える慣用句です。



ここを間違えると、
とんでもない誤解を生みかねません。

「鶴子さん、僕とあなたは水と油だね」
「亀吉さんひどい、水と油だなんて。バキ!」
「なんで?」

まあ、実際には雰囲気で
言いたいことの意味は察してくれるでしょうから、
こんな分かりやすい誤解にはならないでしょうけれども、
「この人まちがえているよ」
ぐらいは思われてしまうかもしれません。



ぎゃくに、お互い似ているから
仲が悪くなることもあります。


龍子さんと虎吉くんは
ふたりとも気が強すぎて、いつも意見が合わない。

「おれさまの言うとおりにしろ!」
「あたいの言うとおりにおし!」
「なんだと」
「てやんでー」
「わー」「ぎゃー」

こんなケースですね。
これも、仲が悪いことは悪いですが
性格が違うわけではないので、
水と油とはちょっと意味が違います。



言葉の雰囲気だけで適当に使ってしまうと、
こういった間違いをしてしまうかもしれないので、
注意しておくといいでしょう。


この慣用句の良いと思うところ


意味としては以上ですが、
この言葉を使うメリットとして、
「性格が違うのだからしょうがない」
と、割りきりやすくなるのがあると思います。



たとえば、
うさ吉くん「亀子さんは仕事が遅くてイライラする」
亀子さん「うさ吉くんは居眠りが多くてイライラする」

お互いの悪いところが気になって、
ふたりはいつもケンカになる。

ある日、亀子さんは仲のいい鶴子さんに相談しました。
亀子さん「ちょっと鶴子さん、
うさ吉くんは居眠りばかりしてどうしようもないよね」

こんなとき、もし鶴子さんが
「あら、でも亀子さんもうさ吉くんも
最終的な仕事量はおんなじくらいよ、どんぐりの背比べね!」
なんて言えば、
亀子さんはカチンときて、無駄なうらみを買うかもしれません。

かといって、
いっしょになってうさ吉くんをこき下ろすのも、
人柄の良い鶴子さんとしては気がすすまない。


そこで、
鶴子さん「そうねえ、あなたたちは水と油みたいなものだから、しょうがないよね」

と言えば、なんとなく、
「ふたりとも性格ややり方が違うのだから、
しょうがないです。亀子さんもうさ吉くんも悪くないです」


といった、
たいへんオトナな雰囲気になりやすいですし、亀子さんも、
「そっか、性格が違うのだからしょうがないかな」
と考えてくれるかもしれません。


実際に性格や考え方の違いによる
意見の食い違いはしょうがないこともありますしね。

犬代さん「猿吉くんはゴミのリサイクルをちゃんとしてくれない」
猿吉くん「犬代さんはゴミ出しについて細かすぎる」

こんな場合も、水と油と考えれば、
おたがい多少は我慢できるかもしれません。



本物の水と油は、洗剤や乳化剤を使えば
混ぜることもできますが、
人間同士だと、なかなかそうもいかないですから、
しょうがないと割りきることも時には必要ですね。


この言葉はそういった事を思い出させてくれそうです。

スポンサーリンク

特集記事!こちらも合わせてごらんください
おすすめ!⇒楽しくことわざなどの知恵を覚えるにはこれ
大丈夫?⇒誤用しやすいことわざや慣用句
ここぞという時に⇒苦しい時やいざという時に力になることば

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ