窮鼠猫を噛むとは意味を知っても使い方がむつかしいことわざ

冗談かギャグのようにも
考えられそうですが、まじめなことわざです。

窮鼠猫を噛む(きゅうそねこをかむ)


文字だけ見ると、
漢字がギュウギュウにつまってるものの、
意味は特にむつかしくはありません。


どちらかというと
戒めとしてのことわざではあります。
しかし、いざというときに
とてつもない力を発揮する

という意味では、
なんだか頼もしくも感じる言葉です。




意味について


窮鼠猫を噛む(きゅうそねこをかむ)とは
弱い者でも、
本当に追いつめられれば
思わぬ力で反撃してくる

という意味です。


キューソ?


漢字の読み方と意味が
いまいち分かりにくいですが、
窮鼠(きゅうそ)は
追いつめられたネズミ、

猫を噛む(ねこをかむ)は、まあそのままですね。


当たり前ですが、
ふつうはネズミはネコに勝てないです。
体の大きさも違いますし。

ドラえもんとかトムとジェリーとかの
マンガやアニメだと
なんだかネズミのほうが強い
みたいになっていますが、
あんなの現実にはちょっとないでしょう。


しかし、たとえ弱いネズミでも
追いつめられて逃げる場所がなくなったら、
このまま捕まるぐらいならと
反撃してかみついてくることがある、


そしてこの場合、なにしろ
ネズミにとって生きるか死ぬかなので、
ありったけの力でかみつく
そうするとネコも
無傷ではいられないこともあります。


これが窮鼠猫を噛む(きゅうそねこをかむ)
ということで、ここから先ほどの
弱いものが強いものにかみつく、
という意味になります。


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使うよりも読むことが多い?


このことわざは自分で使うよりも
歴史もののお話などで
目にすることが多いと思います。



「窮鼠猫を噛むといいますし、
あまり包囲して追いつめると
かえって強い反撃をしてくるのではないでしょうか?」

「うむ、そうだな。
ではあえて1ヶ所だけ逃げ道を作っておこう」


単純に敵をやっつけようと思ったら、
大勢の部隊で囲んでしまって
フクロダタキにするのが確実なのですが、
それだと、さっきのネズミと同じで


逃げるところがない

どうやってもやられる

どうせやられるなら全力で反撃する

うおー

となることがあります。


こうなると、たとえこちらが有利でも
思わぬ損害を受けることがありますが、

わざとちょっとだけ
逃げ道を作っておくと



あそこに逃げ道がある

勝てないなら逃げたほうがいい

わーい

となるので、敵は逃げようとするか、
そうでなくても、
「負けそうになったら逃げるぞ」
と思いながら戦うので

死ぬ気でこられるよりもやりやすくなります。

もちろんそのまま逃げてしまう敵も
いるでしょうけど、
こちらの被害も少なく勝てるので
こっちのほうが良い、ということですね。


実生活で使うことは?


このように窮鼠猫を噛むは、
歴史の話では出てくるのですが、
いまの日本でそういった、
生きるか死ぬかの戦いはないですよね。


たとえば小学校ぐらいのとき、
いつもおとなしくて気の弱い子が
あまりにもしつこくからかわれたので
とつぜん怒って泣きながら暴れまくる、

こんなのは少し近いものを
感じるかもしれませんが、
(正確には違いますが、強いて言えばということで)


だからといって

「あんまりからかいすぎると
怒って反撃されるから気をつけよう。
窮鼠猫を噛むだからな

なんて使い方しないというか
最初から、からかったりするなよ
という話です。



あと強いて使うとすれば

「新人教育をきびしくやれといったが
あんまりやりすぎるなよ、
窮鼠猫を噛むというし、
いくら立場の弱い新人でも
怒り出すかもしれん

といったところでしょうか。

うーん、やはりちょっと苦しいですね。
新人が反撃してくるってどんな状況だよ、
という話になりそうです。
やりすぎないようにするのは大切ですけど。


やはりこれは戦いのお話で
「あまり追いつめると
無益な抵抗を生むことになるから
気をつけろ。
窮鼠猫を噛むというからな

といった使い方があいそうですね。


このことわざの教え


しかし、
この窮鼠猫を噛むという言葉には
大切な教訓があります。


それは
「相手をあまり
追いつめてはいけない」

というもの。


現代の日本では物理的に争うのは
通常ないですが、なんらかの理由で
相手にプレッシャーを与える
というのは、わりにあると思います。


スポーツなどの勝負事とか
仕事の教育、ライバルとの競争などですね。
こういったものは、ある意味、
戦いのようになることもあります。


そういった場合に、
たとえ有利に進んでいるとしても
あまり追いつめすぎると
思わぬ反撃を受けてしまったり、

そうでなくても人間おいつめられると
とんでもない行動に出ることがありますので、
注意する必要があります。


由来について


この窮鼠猫を噛むとは
『塩鉄論(えんてつろん)』という
書物に載っているのが語源とされています。


これは2000年ほど前の中国のもので、
つまりそれだけ昔から
言われていたことということになりますね。


また、孫子の兵法書という
これまた有名な書物にも

窮寇は追うなかれ
(きゅうこうはおうなかれ)
という言葉があり、

これも窮鼠猫を噛むとおなじ意味で

ここからも、
いかに大切なことを言っているか
分かると思います。

あとネコがネズミを追いかけるのも
2000年前からやっていたのが分かりますね。


注意点は


窮鼠猫を噛むは
相手を追いつめすぎるな、という意味なので
基本的に「追いつめる=有利」な
立場の人が使うことわざです。



「次の試合はどうやら勝てそうだぞ
相手チームはやる気をなくしている、
うひょー」

「窮鼠猫を噛むだから
あまり追いつめすぎるなよ」

という使い方ですね。


したがって、追いつめられる側が
いざというときの力を期待して

「次の試合は負けそうだ。うひゃー」

「あきらめるんじゃない
窮鼠猫を噛むというから
最後に思わぬ力をはっきすることもある」

こういうのは
ちょっと違う使い方になります。

まあ、正確にまちがいとまでは
言い切れないかもしれませんが、
この場合は「背水の陣
という言葉を使ったほうがいいでしょう。



勝ちそうなときは
調子にのって勢いづきすぎたり
油断したりしやすいものですが、
そういったことを戒めるのに
よさそうなことわざですね。

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